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ジェレミー・シーゲル:AIエージェントは「慣性による独占」を突き崩す

ジェレミー・シーゲル教授が、米長期金利上昇でも米国株が持ちこたえている理由を解説した。
また、教授はAIエージェントが様々な分野で「慣性による独占」を突き崩すと予想している。


今はすべて債券市場の動向だ。
(金利上昇は)すべて実質金利によるもので、過去3週間で40bp上昇(訳注:おそらく10年債利回り)と、私が見てきた中で最も強い上昇だった。
インフレ期待はかなり安定しており、5年5年インフレ・スワップ金利はわずかに低下したが、これは経済がとても強いことを示している。

シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、最近の金利上昇が期待インフレ上昇でなく実質金利上昇によるものと指摘した。
(これは以前の浜町SCIによる分析と一致する。)
教授は、実質金利上昇を強い経済によるものと解釈している。

強い経済成長にともなう金利上昇であっても、シーゲル教授は、割引率上昇により株価への潜在的脅威になると説明している。
その上で、株価が高値圏で持ちこたえている理由を解説した。
教授は米10年物価連動債利回りが2.81%まで上昇し、株式との間の競合が高まっていると話す。

「PERは20倍近く、益回りは5%と、逆転しているわけではないが、株式リスクプレミアムは縮小している。
様子を見たいが、強い経済は企業利益を高めるものだ。
この理由で株式は持ちこたえ、債券より良い。」

シーゲル教授は、株式がインフレ・ヘッジと企業利益の2点で「ウィン-ウィン」の投資になるのに対し、債券にはアップサイドがなく足下でヘッジの役割も果たしていないと株式有利の理由を話した。

今回のポッドキャストでシーゲル教授は米国株市場の方向性についてスタンス(強気・弱気)を明確には示していない。
AI関連が引き続き市場を牽引していると指摘する一方で、FRB追加利上げの可能性の高まり・長期金利上昇などから強気見通しを語りにくいのだろう。
アップサイドの可能性としては、イラン紛争が解決方向に向かうことが挙げられるが、教授は、イラン側に中間選挙前に急いで合意するインセンティブがないと指摘している。

なお、同日のKnowledge at Whartonでシーゲル教授は「ホルムズ海峡開放の合意がなされ実現するなら株式市場は10-15%上昇する」と予想した。
ホルムズ海峡が開放されれば、原油価格が80ドル台前半から70ドル台まで下落するとの読みだ。

ウィズダムツリーのポッドキャストでは、MetaのAIエージェントMuseの話題で持ち切りだった。
このAIエージェントは、単なるQ&Aに留まらず、商品の比較・購入、旅行予約、メール送信などが行え、さらにバックグラウンド実行も可能だという。
シーゲル教授は、この進展について四半世紀前に書いたインターネットについての論考を思い出している。

インターネットにより価格の比較がとても容易になるため、価格競争がより熾烈になるだろうと書いた。
答えはYesとNoで、そうなったものもあれば、ならなかったものもある。
でも予感しているのは(AIエージェントが)金融システム、通信、その他様々な分野でいわゆる『慣性による独占』の一部を突き崩すことになるだろうということだ。

シーゲル教授は、個々のセクターを支配してきたプレーヤーとAIエージェントの間で過酷な戦いが始まると示唆している。

「間違いなくみんなAIエージェントに対抗しようとするだろう。
彼らはAIエージェントが実現できると知っており、そうなれば切り刻まれてしまうことを知っているからだ。」

新たな強力な破壊的イノベーションが始まりそうだ。
これは証券投資において相当に広範な影響を及ぼすのかもしれない。

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