オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が先日のMemoに関連して、米財政懸念・金利上昇の中での米資産・ドル建て資産への投資の是非について語っている。
確信しているわけではないが、今後数年、金利は大きくは下がらないだろうし、全く下がらないかもしれない。
マークス氏がProf G Marketsで、今後数年米国では大きな金利低下が望めないと予想した。
米金利は世界中の資産価格に影響を及ぼしうる重要な変数だ。
仮に資産価格に大きな影響が及ぶ場合、今回は米国がその震源地(の1つ)になる。
ところが、マークス氏は、米国株や米社債への投資を減らす必要はないと話している。
「政府債務と財政赤字に関して最もありうるインプリケーションは、財政政策によってより高い金利が要求されるようになること。
これは株式市場の問題、米企業への投資の問題ではないのだから、それに対する正しい反応とは、保有資産における株式を減らすことではないだろう。」
ここで当然1つの疑問が湧いてくる。
マークス氏は財政悪化への対処として政府がドルの価値を低下させるような政策を採りうると指摘している。
ドルの価値下落のリスクがあるなら、たとえ投資先企業の問題ではないと言ってもドル建ての株式・社債を持つべきなのか。
同氏は、良く言えば現実的、悪く言えば消去法的な考えを語った。
「米国はまだ最も良く機能している先進国経済であり、米資産から離れ他の国・企業等に移ると、対象としうる企業のファンダメンタルズのレベルが悪化しかねない。
これは簡単には判断できない。
米国が、私の考える通り最良の先進国経済であり続けるとすれば、何かしようとしても、何もしない方が良いように思える。」
マークス氏はこの点について先日のMemoで、ドル以外への分散投資に反対するわけではないと書いているが、それでも「大幅にやるべきではない」と主張している。
インタビュワーは、投資家にとっての重要なテーマを「いつ私たちの幸運が終わるか」、つまりいつ投資先としての米経済の優位性が失われるかであるとし、その質問をマークス氏にぶつけている。
マークス氏の答えは、インタビュワーもクスりと笑うほど単純明快だった。
いや、その質問について知的に答えられることは何もない。
特に投資の世界では私たちは通常ほとんどファンダメンタルズについて議論せず、ファンダメンタルズについて人々がどう感じているかを議論している。
投資の世界では時々私たちは何が起こるかわかることがあるが、それがいつになるかは決してわからない。
