ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、財政従属に陥ったFRBの袋小路を指摘している。
ジレンマ:
FRBが利上げすれば、(政府)利払い費の問題が悪化する(多くの債務が短期調達のため)。
FRBが利下げすれば、インフレの問題が悪化する。
ガンドラック氏が、FRBと米財政が直面するジレンマについてツイートした。
まさに財政従属を指摘したものだ。
米長期金利の上昇が止まらない。
米10年債利回りは5.2%を超え、30年債利回りは一時5.5%をタッチした。
金利上昇にはいくつか要因があるが、インフレへの懸念を指摘する人も多い。
米財務省は近年、資金調達の短期化を進めてきた。
相対的にコストの高い長期での調達を減らし、短期での調達を増やした。
長期での調達を減らすことは、長期金利上昇を抑える効果があるとも目されてきた。
一方、調達の短期化は政府の資金繰りを煩雑にする側面もある。
そしてFRBがFF金利を引き上げると、短期調達のお得感は減少してしまう。
長期調達なら長く与えられていた借り換えまでの期間も短期化し、調達コストがどんどん上昇してしまう。
財務長官の言葉遣いが荒っぽくなってきたこと、財政の見直しを求める声が増えたことは、そうした厳しい環境が背景にあるのだろう。
資金調達の短期化については、程度や目的に多少の差こそあれ、日本政府でも進められていることだ。
短めの年限での調達にはメリットとデメリットの両面が存在する。
金利上昇は日本(特に政府財政)にとって大問題だろうが、日本の場合は円相場もまた大問題だ。
円安が止まらないならラグをともないインフレ圧力となり、実質で見た政策金利が下がり、さらに円安に振れるといった自己実現的なサイクルになりかねない。
そのため、日銀の利上げを求める声は大きいが、ここにもジレンマがある:
利上げしなければ、円安・インフレの圧力が増す。
利上げして円安・インフレが収まれば、利上げへのインセンティブが減り、市場期待を満たさなくなる。
いずれの場合も、円安・インフレを止めるのには逆風となりそうだ。
