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【短信】モハメド・エラリアン:最も脆弱な主要国債市場は英国、日本、フランス

アリアンツ顧問モハメド・エラリアン氏が、G7の中で最も脆弱な国債市場として英国・日本・フランスを挙げつつ、「あるべき姿」を説いている。


エラリアン氏がCNBCで、スコット・ベッセント財務長官が先月アナウンスしたツイスト・オペについてコメントした。

「それが示すのは、財務省が情報発信して(米国債市場の)結果に影響を与えられるだけでなく、望む結果を市場に強制できると信じるようになったことだ。
それは行き過ぎだ。」

エラリアン氏は、財務長官の発言が米国のイールドカーブ・コントロール導入の可能性を示唆するものと受け取っている。
一方で、米国債市場は巨大な市場であり、たとえ財務省でも思うように操作することはできないというのが同氏の見方。
実際、先月のアナウンスの効果は短命に終わり、財務長官は(恩師スタンレー・ドラッケンミラー氏を含め)市場関係者らから厳しい批判を浴びることとなった。

かつて巨大債券ファンドPIMCOで債券王ビル・グロス氏とともに共同CIOを務め、併せてCEOを兼務したエラリアン氏は、最近の米長期金利上昇の原因を米財政や米資産の信認低下とする見方を明確に否定した。
真因は信認ではなく債券需給だという。
各国政府やハイパースケーラーらによる債券需給の急増で、債券需給が緩んでいるためだ。

エラリアン氏は米国債の需要について、伝統的な米国債への投資家だった中国、日本、湾岸諸国がそれぞれの理由から米国債への投資額を減らす傾向にあると指摘。
ノルウェーの政府系ファンドが米国債への配分を見直しているとのニュースを紹介し、米国債離れは止まっていないとした。
同氏はインフレ、FRBの信認などより債券需給の不均衡の方がはるかに大きな要因だと話した。

(参考)【グラフ】日米のブレークイーブン・インフレ率が語る長期金利上昇の原因

エラリアン氏は、最近の長期金利上昇の主因がインフレ懸念や中央銀行の信認低下ではないと言う。
しかし、だからと言って、現在の政策が是認されるとは考えていない。
インフレ懸念や中央銀行の信認低下が主因でないにせよ、米国債の発行増は主因の1つであるからだ。

あるべき姿とは、生産性上昇を約束するセクターからの(資金)需要があり、政府は債券発行を減らすことで(AIセクターの資金)需要のための余地を作るべきであるのを、各国政府が認識すべきということ。

エラリアン氏はこの「あるべき姿」が実現しそうな気配は見られないとし、今後も金利には上昇圧力が続くと予想している。
同氏は、特に心配な主要国を3つ挙げている。

「現在最も脆弱なG7の3か国は英国、日本、フランスだ。
数字その他から見て、特に英国について私は高ベータ国と呼んでいる。」

エラリアン氏の意見を単純化すれば、各国政府とハイパースケーラーらが大きな資金需要(債券供給)を有している一方、資金供給(債券需要)に限界があるのだから、各国政府はクラウディング・アウトするなということだろう。
しかし、実態は、様々な理由から拡張的財政政策を続ける国が多い。

見方を変えると、世界の資金需要(債券供給)拡大が世界の総需要の先行きを反映するものと見るならば、大きな資金需要拡大は十分な総需要を示しているとも受け取れる。
民間が自律的に総需要を拡大させ、しかもAIという趨勢的テーマが効いている中で、政府までも大規模な景気刺激・成長投資を行う必要がどこまであるのか。
国家間の競争の観点が重要なのはその通りだろうが、それが合成の誤謬になっている可能性も考えるべきではないか。

エラリアン氏が「あるべき姿」は実現しないと予想するのももっともだ。
それが合成の誤謬である限り、よほどのことがない限り、誤謬が改められることはないのである。

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