ふくおかFGの佐々木融氏が、スコット・ベッセント米財務長官からの日本の金融・財政政策に対するプレッシャーの苛烈さに少々戸惑いを見せた。
「基本的には日銀の金融政策が変わらない限り円安基調は変わらないだろうと思う。…
市場の織り込み以上に利上げができるのなら、円安基調が終了とまでは言えないが、いったん円安の流れは止まり、しばらく円高方向に振れることもあるのではないか。」
佐々木氏が外為どっとコムによる4日のインタビューで、今後の円相場について語った。
ドル円相場は7月末からの日米協調介入により一時155円台まで円安が進んだものの、その後じりじりと160円台まで戻していた。
9月初めからは日米要人の発言・報道などから急激に円高に振れ、3日には155円台まで進んだが、現在は156円台にやや戻している。
佐々木氏は、協調介入だろうが単独介入だろうが、ファンダメンタルズの変化をともなわない限り方向感が反転することはないだろうとの意見だ。
むしろ、年初からの27兆円という莫大な規模の介入が行われたにもかかわらず円高への振れ幅が小さい点に驚きを隠さなかった。
佐々木氏は従前から、家計の1,000兆円の円預金が外貨に転じ始めたら円の防衛は困難になると警告してきた。
このインタビューでは、介入でもあまり円高にならない理由の1つを「個人が動いているのではないか」と推測している。
スコット・ベッセント米財務長官が日本の金融・財政政策について強い要望(利上げ、大規模財政拡張の抑制)を公言している点について、佐々木氏の思いは複雑だ。
介入にあたって米国債を売るのでなくFIMAレポを使うよう求められていること、昨年の日米合意に基づく巨額の対米投資、「通貨同盟の完成形」、米国産原油への依存などのトピックを挙げつつ、日本が「属国」として扱われているようだとし、米国への不信感を示した。
ベッセント長官からのプレッシャーがあまりにも強く、その意向と擦り合う金融・財政政策の調整がかえって実施しにくくなるのではないかとの心配も述べている。
今後の日米金融政策について佐々木氏は、FRB9月利上げもありうると予想する。
日銀については、政策決定会合ごとの連続利上げが望ましいとしつつ、政治的な要因から難しいとも話している。
さらに、日銀利上げの円相場への影響を解説した。
基本的に織り込まれた利上げの分だけなら影響はない。
日本の場合、実質金利をゼロないしプラスに持っていけるかどうかだ。…
年度内毎回利上げするなどすればそこに到達する。…
実質金利がマイナスにならなくなったら、ある程度円安の流れは止まるのではないか。
佐々木氏は同日の日経ヴェリタスのインタビューで、市場が今後1年での4回の利上げ、2.5%前後のターミナルレートを織り込んでいると紹介している。
外為どっとコムでは4回の利上げを3月末までにすべきと語ったが、同時にそれは政治的に難しいとの予想だ。
高市政権が現に利上げに慎重なのに加え、仮に一時的にでも円高に戻ればさらなる利上げへの風当たりが強くなること、仮にインフレが上昇してしまうと実質金利が下がりゴールが遠のいてしまうことなどに触れている。
同氏は、インフレについては原油を始めコモディティ価格上昇の影響を心配している。
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