アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授のWealth Building Blueprintインタビュー第3報: AI分野への投資の条件。
「AIブームについて話すとき、製品やサービスがブームになるかのような前提で投資を行っているが、ここに大きな疑問符が付く。
本当に製品やサービスでのブームが先行投資を正当化しているのだろうか?」
ダモダラン教授は、AI分野での投資について最終的に誰が何にお金を払うのかという観点で見ているようだ。
AIアーキテクチャーのための支出ではなく、もっと川下で誰がお金を払うのかという点だ。
教授は、AIの成功/失敗に関わる皮肉を説明する。
もしもAIがうまく行かないなら設備投資を減損し、企業が損失を計上する。…
もしも彼らが主張するとおりにAIがうまく行くなら、労働者、高給取りの労働者、銀行家、コンサル、年金数理人などの仕事が奪われる。
そうなれば、その分の所得が経済から消える。
だから、あなたにとっての最悪のシナリオがAIにとって最良のシナリオになる。
AIが人間を代替するなら、人間の所得が失われる。
そうすれば、誰が最終消費者になるのか。
最終消費者がこれまで通りお金を払わないなら、誰がAIに対して直接・間接にお金を払ってくれるのか、との疑問だ。
AIとはもしかしたら自分の最終顧客から購買力を奪う存在なのかもしれない。
ダモダラン教授はAIを楽観視する人たちに、どんなにAIが素晴らしいかだけでなく、それにともない世界がどう変わるのかの説明が必要だと話す。
失業した人たちはどうなるのか?
経済はどうなるか?
電力料金の値上げ分はどう賄うのか?
ダモダラン教授は、現在のAI分野について「工場が建った」段階だという。
問題は、その工場で作る製品を買ってくれる人がいるかだ。
つまり、AIを用いた製品・サービスが売れて利益が出るのかを、多くの投資家が固唾を飲んで見守っているのだという。
マグニフィセント7のうち5社に投資しているダモダラン教授だが、AI分野へのスタンスは決まっている。
「だから、製品・サービスが売れる証拠が見えるまで、NVIDIAチップだろうが電力センターだろうが、AIアーキテクチャーにこれ以上投資しない。
事業として成り立つ証拠が必要だ。
その証拠は、AIアーキテクチャーを提供する企業ではなく、AI製品・サービスを売る会社から示されることになろう。」
