アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、バブルかどうか騒ぐことの無駄、アクティブ投資の弊害について語っている。
他人がAnthropicに2兆ドル払おうとしているのを問題にするより、自分のことを考えなさい。…
彼らがあなたを巻き込もうとしているのでない限りは、あなたの問題じゃない。
ダモダラン教授がWealth Building Blueprintで、人々は今がバブルかについて騒ぎすぎていると話した。
さらに、バブルだとの考えがもたらす問題点を指摘している。
「後に回顧し、あれはバブルだった、と言うかもしれない。
でも、他に選択肢はあったのか?
あるとすれば、すべてをチェックした後でないと前に進もうとしない年金数理人により動かされる世界で暮らすことだ。
そんな社会では何の変化も起こらない。
だから、これはバブルかバブルじゃないのか心配するのでなく、それは重要じゃないと考えるべきだ。」
アクティブ・ファンドは最低最悪
ダモダラン教授は、パッシブ運用に対する見解を尋ねられ、パッシブが大きく拡大した理由を語っている。
「理由は、他の選択肢が酷いためだ。
アクティブ投資は、他に良い言葉がないのだが、完全に最低最悪(shitshow)だ。…
率直に言って、何でこんな商売が成り立つのか想像さえできない。」
念のため補足すると、ダモダラン教授がディスっている「アクティブ投資」とは、ビジネスとしてのアクティブ投資、つまりアクティブ・ファンドを指しているようだ。
(従前から、アクティブ・ファンドについては根拠を示しつつディスってきた。)
教授自らがやっているような個別銘柄を選別し投資することを主眼においたものではない。
ダモダラン教授は、優れたアクティブ投資家もいるにはいるが、極めてまれだという。
ほとんどのアクティブ投資は怠惰でずさんで、平均回帰に基づいているのが現実だ。
私はAIが彼らの仕事を奪うのを待っており、実際そうなるだろう。
ChatGPTは、アクティブ投資家が犯すヘマなしに平均的なアクティブ投資家に置き換わることができる。
ダモダラン教授は、多数のミューチュアル・ファンドについてポートフォリオ入れ替えがリターンに及ぼす影響についてシミュレートした研究を紹介している。
それぞれのファンドについて通年の実績と仮に年初から全く動かなかったとした場合の実績を比べたものだ。
結果は「勝負にならなかった。何もしない方が何かする、あるいはたくさん行動するより毎回アウトパフォームした」のだという。
動けば動くほどリターンは悪化する
何もしない方が「毎回」アウトパフォームしたというところ、運用業界の闇のようなものが感じられるが、ダモダラン教授が言いたいのはそういう話ではなく、実際に動かない方がいいというアドバイスであるようだ。
こうなると、一般の投資家も他人事ではいられなくなる。
「投資の結論は、行動すればするほどリターンが下がるということ。
もう一度言うよ。
やればやるほど、あなたのリターンは悪化するんだ。」
ダモダラン教授は、アクティブ運用の一側面であるマーケット・タイミングについても言及している。
マーケット・タイミングで成果を出すのが不可能といった話でなく、それにともなう弊害について話している。
リーマン危機前にうまく市場から脱出した「勝者」の多くに起こった後日談だ。
「彼らは株式市場に戻ってくることがなく、現金を抱え続けた。
2014年には、クラッシュを避け市場の英雄とされた人たちよりクラッシュを食らった人たちの方がアウトパフォームしたんだ。」
