アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授のWealth Building Blueprintインタビュー第2報: バフェット指標、米国の失われた数十年、円キャリートレードの行方。
ダモダラン教授は、一国の株式市場と経済の間の相関について問われ、こう答えている。
なんで個別の国の市場とその国の経済を結び付けるのか、私には全く理解できない。
ダモダラン教授は、各国の企業がはるかにローカルだった40年前とは状況が異なると話す。
S&P 500企業の売上の6割が米国以外である点を示し、株式市場と経済を対比させるのは不適切と指摘した。
例えばバフェット指標(その国の株式市場全体の時価総額÷名目GDP)などでは、株価と経済規模を比べているが、この指標にはもはやほとんど意味がない。
ちなみにウォーレン・バフェット氏がこの考えに言及したのは、FPが把握する限り2001年が最後だ。
ダモダラン教授は、ある国の株式市場のドライバーを見る上では、その国の経済規模より上場企業が集中する産業セクターの方が重要だと話した。
米市場でも「失われた数十年」は起こりうる
ダモダラン教授は、米市場でも「失われた数十年」は起こりうると話す。
だからこそ株式投資家は株式リスクプレミアムを要求するのだという。
「私は、株式が長期で常に勝つとは信じていない。
人気の本に、株式が常に勝つという内容のものがあるが、これは20世紀の米国株の歴史によっており、選択バイアスがある。
20世紀で最も成功した株式市場を取り上げたにすぎない。」
「人気の本」とは、度々FPでも取り上げているあの青い本(リンクはAmazon)ではないか?
いやいや、青本では19世紀もデータに入っている。
ちなみに青本では、株式が有利な理由として株式リスクプレミアムを挙げている。
両方の教授ともに同じことを言っている。
ジェレミー・シーゲル教授は、長い期間米国株に投資すれば、株式有利となる確率が高まるというメッセージ。
ダモダラン教授は、それでも「数十年」の期間なら株式が負ける可能性があるというメッセージだ。
ダモダラン教授は、さらに米国に限らないスコープでのファクト(こちらはレイ・ダリオ氏の調査を思い出させる)を紹介している。
「1899年に…前世紀の前に10大株式市場に投資していたとすると、第2次大戦によって1945年までにほぼ全部(購買力)を失った。…
10年分でなく1世紀分だ。」
(次ページ: 円キャリートレードの行方)
