投資

アスワス・ダモダラン アスワス・ダモダラン教授のアクティブファンド、資金運用業界に対する辛辣な批判

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が株価指数について書いているが、これがアクティブファンドをはじめとする資金運用業界に対する辛辣な批判になっていて面白い。
今日も教授の毒舌が冴えわたる。


今回紹介するダモダラン教授によるブログ記事は、S&P 500などの株価指数がSpaceX、OpenAI、Anthropicの株式をIPO後すぐに指数に組み込むべきかという議論についての背景説明と論考だ。
ここでは本筋とは別に、ブログ記事の中で示された市場関係者の先入観、ダモダラン教授の批判的スタンスをいくつかピックアップした。
業界関係者のバイアスやポジショントークとは一線を画す教授の言葉から得られる知識・視点は多いはずだ。

(アクティブファンドをディスって)

過去25年、アクティブファンドの過半がS&P 500指数より良かった年は3年のみで、しかもわずかの差だった。
残りの年のアンダーパフォーマンスぶりはひどかった。

(S&Pによるアクティブファンドのパフォーマンス評価SPIVAで見ても)

これら数字に希望は見られない。
ファンドマネージャーはすべてのカテゴリーで対応する指数をアンダーパフォームし、しかも長い期間をとるほど大きくなる。
過去10年で見ると、どのスタイルでも対応する指数をアウトパフォームしたファンド群は存在しない。

(アクティブファンドに対する結論)

現時点で、アクティブ投資全体で見て、ポートフォリオのパフォーマンスを悪化させるとの議論に対し、ほぼ反論の余地はない。

(様々な株価指数の間での《悪貨は良貨を駆逐する》現象)

インデックスファンドの商売の規模とインデックス作成者が受け取る手数料が、プロセスにおいていくらか緊張を生んでいる。
インデックスファンドの投資家が好んで売買する出来の悪いインデックスと彼らがあまり魅力を感じない出来の良いインデックスの間での選択に迫られる。
おそらくインデックス作成者は前者を選択する可能性が高いのだろう。

(株価指数に採用されそうな銘柄に投資する戦術の有効性)

諸研究から得られる一般的な感覚としては、株価指数に採用されることによる株価上昇は時間とともに小さくなり、過渡的となる。
過去10年あるいは20年を見ると、ほとんど消滅している。

(SpaceX、OpenAI、Anthropicの株価が株価指数採用の影響を受けるか否か)

これら企業のいずれの株価推移も、S&P 500に採用されるか否かによって影響を受けるとは考えるべきでない。

(アクティブ投資家が主張するアクティブ運用の重要性・意義)

私の考えでは、ほとんどのアナリストやアクティブ投資家が市場の非効率を探し情報を求めているとの考えは見当違いだ。
アクティブ投資の多くは公知の情報と平均回帰の力への信仰によっており、独自の研究や情報収集によってはいない。

(アクティブ運用者の論理に乗っかる機関投資家に対し)

個人投資家・引退した人々・基金に対し、市場の効率性という、より大きな大義のために、株価指数をアンダーパフォームしている運用のプロに手数料を払えというのは筋違いであり、ありえない話だ。
実際、この論法で基金をアクティブ運用に振り向ける基金や年金は、自らの受託者責任をないがしろにしている。

(スマートマネーとも呼ばれる機関投資家の現実)

スマートマネーはSpaceX(その他同様の銘柄)が割高か割安かを知っていてよりよいタイミングで投資できるとの考えは空想にすぎない。
機関投資家は投資家というよりトレーダーであり、市場を引っ張るのではなく市場のフォロワーになっている。

(投資の良否を決めるのは企業の良否だけではない)

過去20年、利益を上げている企業だけに投資すると限定した投資家は、そうした限定をしなかった投資家をリスク調整後であってもアンダーパフォームしたと確信している。
価格さえ正しければ、赤字企業も良い投資となりうる。
価格が間違っていれば、堅実・安定した利益を上げる企業でも悪い投資になりうる。

(「投資家保護」のお題目に潜む偽善)

個人・小口投資家を彼ら自身の誤り・判断から保護しようとの試みには概して懐疑的だ。
彼らを搾取しようとする者より、彼らを助け保護しようと主張する者たちの方が、長い目で見て多くの損害を彼らに与えてきたからだ。

-投資
-, ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 本サイトでは、オンライン書店などのアフィリエイト・リンクを含むページがあります。 その他利用規約をご覧ください。