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あのモハメド・エラリアンがやけに円相場に注目している。何か起こるのかもしれない

かつてPIMCOでCEOを務め、ビル・グロス氏とともに共同CIOも兼務したモハメド・エラリアン氏が、この数日、日米による円相場への為替介入についてさかんにツイートしている。
同氏が外国人投資家を代表するわけではないものの、こうした高名な投資家の発言は外国人投資家の感じ方を知る上で大いに参考になろう。


エラリアン氏の日本に関する最近の目立った発言と言えば、6月終わりの日本株市場についてのものだろう。
韓国と日本の株式市場の「過剰」なレバレッジを指摘していた。
韓国市場についてはすでに周知の事実だったが、日本のレバレッジの「過剰」については当時ピンとこなかった人も多かったはずだ。
しかし、その後の信用倍率やAI関連銘柄の推移を見ると、同氏の心配が的中したことがわかる。

その後、奇しくも韓国・日本は揃って自国通貨買いの介入を行うこととなった。
以下、日本の為替介入についてのエラリアン氏のコメントの一部を紹介しよう。

7月31日
為替介入について2つの疑問を呈した:
「当局が介入するまで何でこんなに時間がかかったのか?
もっと重要なのは、この介入は、再度の円安に持続的に対処することができる政策アクションによりサポートされるのか?」
追加の持続性のある方策が必要との示唆である。

同31日
日銀の金融政策決定会合について
「他の3つの中銀(訳注:ECB、FRB、BOE)とは異なり、もしも日銀が利上げしないなら驚きだ。」
先に言及した追加の方策が採られて然るべきとの考えだったようだ。

同31日
30日だけで530億ドル(約8.5兆円)が介入に投じられたとの報道について
「効果については、急騰の基盤を築くどころか、現在160円のわずか下でもがいている。」
介入初日だけですでに大規模だったのに、すぐに跳ね返されたことを心配したもの。

同31日
日銀の金融政策決定会合の結果について
「日銀は政策金利を据え置いた。
政策判断とともにタカ派的な声明も出されたが、私の意見では驚くべきことだ。
以降、円は1ドル160円を超えて弱くなっている。」
エラリアン氏からすれば、日銀が利上げしないことは驚きでしかない。
だから、円安への戻しも不思議ではないのだろう。

8月1日
米国の協調について
「(日本の当局による500億ドルの介入後の)当初の円相場の上昇が勢いを失ったため、米国が金曜日の遅く支援に踏み出した。
24時間で2回目だ。・・・
1ドル160円を超えていたが、これが円の上昇の助けとなった。
大きな疑問が残る: この介入は今後も続くのか?」

8月2日
米国が例外的に為替介入(後に主に口先介入との見方が強まった)に踏み込んだ理由を2つ推測している:

  • 貿易上の競争力:「過剰な円安を米国は米国の貿易上の競争力の足かせになると考えている。」
  • 利回りへの懸念: 米国債が売られ米金利が上昇することを心配している。

協調介入の方が効果が大きく「少なくとも初めは市場が注視する」としつつ、米国にとっての「落とし穴」も提起している。
「米国は、最終的な成功の可否を自ら決めることのできない戦略に署名してしまった。
以前のツイートで議論した通り、自ら決めるのではなく、東京の日銀・財務省・官邸の間の包括的な政策協定によることとなった。」
問題解決にあたる主体が米国でなく日本であることが明確化されたとの指摘だ。
つまり、介入だけでは問題が解決しない可能性が高く、本質的な解決策を日本が実行するか否かにかかることになったと言いたいのだ。

8月3日
今回の協調介入が「実際の市場介入」の代わりに「強い言葉」によって行われた(つまり米国はほとんど実弾を撃っていない)と見透かし、3つの理由を指摘した:

  • 市場の円安への動きを挫く。
  • 大規模な為替介入の「副作用と意図せざる結果」を避ける。
  • より持久性の高い、協調的な日本の政策手段が奏効するまでの時間を稼ぐ。

あくまで日本政府と日銀の「協調的」な政策、つまり利上げと財政への配慮が必要と考えているようだ。

最大の驚きは日銀が利上げしなかったことではあるまい。
エラリアン氏がこれほど日本に注目していることだ。

1980年代後半のバブル期、日本は世界の注目の的だった。
世界中のエリート・バンカーたちが日本駐在のポジションを争ったほどだ。
しかし、バブルが崩壊すると、人々は日本のことをほとんど語らなくなった。
日本は世界の経済・市場にとってほとんど重要でない異世界になったのだ。
時々思い出したように話題に上がることはあっても、かつてのようなまばゆいスポットライトが当たることはなかった。

それが今、まばゆいかどうかは別として、このひどく感のいい著名投資家から注目を浴びている。
もしかしたら《今回は違う》ようなことが起こっているのかもしれない。
実際には杞憂に過ぎないのだろうし、あくまでリスク・シナリオ程度の話だろうが、どうやら無視していい話でもなさそうだ。

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