グリーンライト・キャピタルのデービッド・アインホーン氏が、忍耐、マクロ投資、金投資について語っている。
結果論で言って、私が下した最悪の判断の1つはApple株の売却だ。
アインホーン氏がモルガン・スタンレーのインタビューで、失敗談を尋ねられて答えた。
グリーンライトは2010年にAppleに投資し、2018年に売却している。
このポジションのリターン総額は10億ドル、年率リターンは26%に及び、同社の運用成績上「最高の収益を上げた投資」になった。
アインホーン氏は、Apple株が再評価されPERが15-16倍まで上昇したため、売却の判断を下したという。
奇しくも、同氏が売った時期、ウォーレン・バフェットがApple株への投資を始めている。
よく知られたとおり、バフェット氏は同ポジションで莫大な利益を得ている。
アインホーン氏は、取り逃した利益について自戒を込めて話す。
「私たちが理解していた以上に、私たちは正しかった。
Appleはおそらく世界一の会社で、私がいつも主張したように、消費財ブランドの株価倍率に値したのだ。
ただ、私には(倍率に織り込まれていたことが)実現するのを待って持ち続けるだけの忍耐力がなかった。」
ミクロ(銘柄選別)からマクロ併用へ
アインホーン氏は、グリーンライトにとってリーマン危機が大きな転機になったと回想する。
当初はロング/ショートのバリュー・ファンドとして運用していた。
過小評価されている銘柄を買い、過大評価されているか問題を抱えている銘柄を売る戦略を採っていた。
そうしていれば「長期的には」うまくいくとの考えだったという。
「私たちは金融危機の第1段階、金融機関に何が起こるかについて正しく理解していた。
私たちは問題のある金融機関すべてを空売りした。
しかし、それでも18%の損失を出した。
金融機関がこうした財務上の困難に陥った時に何が起こるか、マクロの見方を勘案しなかったためだった。…
ショートは莫大な利益を上げたが、ロングでそれより大きく損失を出してしまった。」
割安であったはずのロング側の銘柄までパニック売りで暴落したのだ。
これ以降、アインホーン氏は個別銘柄だけでなく、マクロ的な視点を取り入れている。
定量的ではなく、定性的にだという。
金に強気
四半期ごとの上げ下げこそあれ、最近のグリーンライトの運用成績に金のポジションが貢献しているのは周知の事実だ。
アインホーン氏は金への強気を継続している。
金は今後3-5年で見てNASDAQをおそらく大幅にアウトパフォームするだろう。
アインホーン氏は強気材料の1番手として大国の金融・財政政策を挙げ、特に財政が制御不能になっていると指摘した。
さらに、諸外国がドルへの信認を失っていると続けた。
「ロシアの外貨準備の凍結が効いた。
『必要な時にあるはずの外貨準備なのに、それが使えないなら、何のための外貨準備なのか?』となった。
世界の多くの人々は、米国が米国債等を政治利用できるとのメッセージを受け取り、それが世界を金に向かわせていると考えるようになった。」
ちなみに、アインホーン氏は金とS&P 500でなく、金とNASDAQを比較している。
同氏は、現在AI投資の恩恵を強く受けているNASDAQが今後下落に向かうと見ている。
