アリアンツ顧問モハメド・エラリアン氏が、米長期金利の操作の難しさを改めて指摘している。
「…歴史において米財務省の昨日のような表明が本来短期的な効果しか持たないことを考えれば、米30年債利回りの巻き戻し(つまり上昇)は驚くべきことではない。」
エラリアン氏が21日ツイートした。
米超長期金利が上昇する中、スコット・ベッセント米財務長官は19日、長期ゾーンの国債のバイバック・オペ倍増を発表した。
同日エラリアン氏は、同オペの本質をツイスト・オペと指摘し、その効果が短期的にとどまると予想した。
その予想は的中したようだ。
米30年債利回り

「驚くべきは、その巻き戻しのスピードと大きさだ。」
エラリアン氏は指摘した。
市場では、30年金利が5.3%を超えたことがベッセント長官の背中を押す1つの要因だったとの見方があった。
バイバック・オペ倍増の宣言で同金利は一時5.2%を割り込んだが、すでに5.25%を超えるところまで巻き戻している。
長官は20日バイバック・オペをさらに拡大する可能性を示しつつ、「金利が背景にあるファンダメンタルズを反映していないと政権が信じている」ことを示すシグナリングであると述べている。
つまり、長官自身がこのオペに本質的な効果があるとは考えていないのを認めていることになる。
合わせて長官は、大統領が行政管理予算局に財政再建を指示したとも述べている。
本質的な解決策も用意してあると言いたいのだろう。
30年債利回りの巻き戻しの様子を見る限り、市場が財政再建の取り組みを高く評価したのかどうかはいまだ不明だ。
いずれにせよ現在の金利上昇は当局による市場操作だけで止まるものではないのだろう。
ファンダメンタルズを改善し、かつ、市場に前向きな見通しを持たせることが必要になるようだ。
世界の主要経済の金融市場がつながっていることを考えれば、一国の努力では十分には解決しない可能性が高い。
その過程で為替市場にも複雑な影響が及ぶことになろう。
仮に米国が財政再建に転じるなら、財政拡大というこれまでのドル高要因が剥落することになる。
一方で、財政悪化というドル安要因も軽減していく。
米国と歩調を合わせられない先進国は、財政で通貨高を誘導できない限り、弱い国債・通貨に苦しむことになるかもしれない。
