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ピーター・シフ:日米協調為替介入は米国の隠れ量的緩和だ

ユーロ・パシフィック・アセット・マネジメントのピーター・シフ氏は、日本の過去・現在の政策を批判し、それが米国に波及すると警告している。


「日本は、デフレが問題であるかのように振舞ってきたが、実際には低インフレであってデフレではなかった。…
日本ではインフレが大問題なのに、何もしていない。
インフレ復活とされる大きな目標のために莫大な国債を発行したためだ。」
(注: 日本は少なくとも公式にはリフレのために財政拡大をしたわけではない。財政・金融政策の協調という話はこう取られてしまうのだろう。)

シフ氏が自身のYouTubeチャンネルで、現在と過去の日本の政策を批判している。
同氏は、「インフレは不十分」とする日本の主張を(隠語を用いて)「大嘘」と断言し、本当の目的をゾンビ企業の救済、円安誘導による輸出企業の支援だったと指摘している。
結果、日本は「金融緩和政策で経済を悪化」させ、「大きな貿易黒字を貿易赤字に転じた」のだという。
シフ氏は、現在日本のインフレが2%目標を超えている(補助金の効果を除いたベース、または期待インフレを指すと思われる)のに、政策金利は1%でイールドカーブがスティープ化している点を問題視している。
同氏は以前から日銀は少なくとも3%まで利上げすべきと主張している。

さらにシフ氏は、前月終わりからの日米協調為替介入でFIMAレポが用いられた点に注目する。

FIMAレポは、2020年のパンデミックを機にFRBが外国政府・中銀・公的機関向けに短期的にドル資金を供給するために設けた制度。
日本は米国債を担保にドル資金を借り、そのドルを売却した。
こうすることで米国債売却による米長期金利上昇を避けたものと見られている。

シフ氏はこの手法について独自の見方を披露している。

FRBは貨幣を創出し、日本の円買いに使わせ、流通するドル供給量を増やしたのだ。
これはさらなるインフレだ。

つまり、シフ氏は今回の協調介入が米政府にとってある種の量的緩和としての意味もあったと言いたいのだ。

FIMAレポの期限は7暦日と短いが、ロールオーバーは可能とされている。
これを長期資金と言うのには無理があろうが、短期の流動性供給となったのは事実だろうし、それは金融を緩和させる効果があったのだろう。
仮に介入なかりせば、なかった効果である。
一時的とは言え、金利上昇を警戒する米財務省にとっては都合のよい話と言えなくもない。

シフ氏は、日銀が利上げを行わない限り円への圧力は続き、さらなる介入が必要になると予想する。

米政府はこれほどの介入を行ったことはない。
そして、ファンダメンタルズは変わっていない。
それを投機筋は知っている。
彼らは限界を試し日本円を売り続けるだろう。
日本は介入を続けざるをえないが、日本が売るドルを入手する唯一の方法は米国債売却だけだ。
米国債を売ってほしくない米国は(レポの)スワップ・ラインを開けておくしかない。

要は、日本の問題だけでなく、米ドル・米国債への弱気見通しを述べているのである。
バイアスの強さや程度の問題はさておき、市場関係者の中に米国債・米ドルへの悪影響を心配している人がいるのは間違いではあるまい。

(誤解を招きそうな箇所に注釈を付しました。)

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