ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏の米インフレに関する9日の発言が会社から公表されている。
イラン紛争が再燃する前の発言だが、同氏はその中で米インフレ率が2%目標近くまで下がることはないと語っている。
「物価連動債から計算されるブレークイーブン・インフレ率は楽観的すぎるように見える。」
ガンドラック氏が9日、4月下旬から急速に低下したブレークイーブン・インフレ率についてコメントした。
同インフレ率は名目債と物価連動債の利回りの差として計算され、債券市場が織り込む期待インフレ率の実測値とされる。
米国のブレークイーブン・インフレ率 5年(赤)、10年(青)

米ブレークイーブン・インフレ率は2%台前半と、FRBの2%物価目標に近づいてきたように見える。
しかし、ガンドラック氏は、「現状の力学」が続く限りインフレ率が2%に近づくとは予想されないという。
理由は、ケビン・ウォーシュFRB議長がタスクフォースを設置し政策と組織について検討を行っているためだ。
ガンドラック氏は、これが年末までかかり、その間金融政策は横這いが予想されるという。
ガンドラック氏は従前から、FF金利が2年債利回りに追随すると話してきた。
米2年債利回り(青)と実効FF金利(赤)

米2年債利回り(青)は3月にFF金利(赤)を上回った。
ガンドラック氏流に言うなら、インフレの状況やFRB議長人事を巡って、市場が利上げ予想を強めたということになろうか。
同氏は9日時点(イラン紛争の再燃の前)で、年内の金融政策の横ばいを予想した。
市場の利上げ予想は今後剥落し、2年債利回りが下がるとの予想を付け加えている。
発言のあった9日から半月でイラン紛争の状況は悪化した。
今や問題はホルムズ海峡だけでなく紅海にまで及んでいる。
これが原油価格を押し上げ、インフレ再燃が懸念されている。
市場はやや利上げ予想を強めているものの、全体としてはインフレの方向性は悪化の方に傾いたのだろう。
