ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、NVIDIAと金融・投資6社によるAIインフラ向けファイナンス計画に対しダメ出ししている。
NVIDIAの5,000億ドルファンド(資金調達と混同しないように)コンソーシアム計画はうまくは続かないだろう。
ガンドラック氏がツイートした。
ガンドラック氏がコメントしたコンソーシアムとは、10日にNVIDIAが発表した大手金融・投資会社6社(Apollo、BlackRock、Blackstone、Brookfield、Goldman Sachs、KKR)とのAIインフラ向けファイナンスのためのパートナーシップのこと。
ファイナンス終了時のNVIDIA納入ハードウェアの価値が予想を下回った場合、NVIDIAが不足分の25%を上限に補填するというもの。
部分的とは言えこの事実上の保証が付くことで、金融・投資6社はファイナンスをやりやすくなる。
AI業界では近年、循環ファイナンス、ベンダー・ファイナンスなどの懸念が指摘されてきた。
NVIDIAでいえば、CoreWeave等顧客企業への出資や保証。
NVIDIA製品を用いてデータセンターを建設する企業に対し、NVIDIAが出資や保証で支援するというもの。
NVIDIA自らが付けたお金で顧客が購入をするという意味で、真正売買と言えるのかとの疑問が呈されてきた。
(これは2000年ITバブルにおいて大きな現実の問題となった。)
NVIDIAとすれば、今回のコンソーシアムにより、完全とまではいかないまでも循環ファイナンス/ベンダー・ファイナンスの程度を引き下げることができる。
さらに、顧客の金融面での制約を小さくし、需要を増やしつつ、顧客の囲い込みを強化できる。
NVIDIAからすれば、決して悪い話ではなさそうだが、ガンドラック氏の反応は冷淡だ。
同氏は、債券投資家としての視点でこのスキームがあまりうまくいかないと考えている。
ポイントは、引き当ての対象となる資産の性質だ。
寿命がはっきりしない資産を長期債務の担保にするの?
それなら何で、バナナの詰まった倉庫を引き当てにして30年の資産担保証券を組まないの?
大丈夫だよ、NVIDIA製品は寿命がはっきりしない新開発のバナナなんだから。
バナナは皆から愛される素晴らしい果物だが、いかんせん賞味期限が短い。
ここで上がった6社の名前を見る限り5,000億ドル(約80兆円)はそう大きな金額でないのかもしれないから、もしかしたらこれだけを取り上げて心配する必要はないのかもしれない。
しかし、これが仮にプライベート・クレジット(ピークで3兆ドル規模)の次の大ヒット オルタナティブ商品の一角となるのなら、少々気に留めておいた方がよさそうだ。
つまり、その大ヒット商品は本当に持続可能となるのか?
あるいは、5,000億ドルの新商品がプライベート・クレジット市場から資金を奪い取ることはないのか?
