ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が、今後3年以内に「債務危機」が起こると話している。
米国は債務危機に向かうのかとBloombergで尋ねられ、ダリオ氏は明確に「Yes」と答えた後、その真意を語っている。
「今後3年以内に米国はスクイーズ・アウトの問題を抱えることになる。
それが何を意味するのか、どのような影響になるのかを考える時、資産価格や金利が重要な観点になる。」
ダリオ氏は世界的な資金需給の逼迫が最近の金利上昇を引き起こしていると説明する。
これまで資金の出し手だった中国・日本・中東などがそれぞれの事情から資金の供給を絞っており、取り手の側には各国政府とAI投資がある。
同氏は、問題は政府の赤字だけではないと指摘し、結果として「何が制限(ration)されるか」が問題になるという。
《締め出し》を意味する「スクイーズ・アウト」という表現は、資金の逼迫によって締め出される資金需要、その結果として締め出される支出を指している。
ダリオ氏は、最近の資金逼迫の一因となっているAI投資についてコメントしている。
「1分野に集中したブームがあり、かつてはさほど債務に依存していなかったが、債務サイクルの進展とともに、かつては株式で調達していたものが債務調達になってきた。」
ダリオ氏は、AIブームも一因となっている金利上昇が、株高とともに、株式リスクプレミアムを圧縮していると指摘する。
(株価倍率上昇による)株高は株式の期待将来リターンを下げ、(金利上昇による)債券安は債券の期待将来リターンを押し上げていると説明した。
ダリオ氏が3年以内に予想する「債務危機」とはスクイーズ・アウトを指している。
そして、何がスクイーズ・アウトされるかが重要だと話している。
同氏は、財政赤字は「非弾力的」であり、特に景気後退期には逆に増える傾向にあるという。
AI投資も金利上昇の影響を受けにくいという。
結果、低所得層における住宅・自動車ローンがスクイーズ・アウトされやすく、これが国内の対立を深めるとダリオ氏は心配している。
AIの発展に功罪があるのは誰もが認めるところ。
2022年からの景気後退懸念を救ったのはAIブームだったし、今も実体経済の牽引役になっているが、金融市場に目を向ければ諸刃の剣となっている。
ダリオ氏は2025年の終わり頃から、市場にバブルが発生していると指摘している。
もちろんAIブームはその重要な一因だろう。
今回のインタビューでダリオ氏は、AI投資での競争では「過少投資」は許されず、「過剰投資」によるバブルが発生するのだと話している。
そして、そのバブルが弾けるトリガーについて従前からの主張を繰り返している。
「バブル崩壊を生み出すのは、現金が必要になり、保有する富を現金に換えることだ。…
富裕税のようなものがそういう効果を及ぼすこともあるし、伝統的にはローン返済がそういう効果を及ぼしてきた。」
