ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が、過去の日本の政策を回顧し、今後の世界経済で起こることを先例から予想している。
「潮の流れには逆らえない。」
ダリオ氏がCNBCで、デフレ時代から現在までの日本の政策を解説した。
現在日本は困難な状況におかれており「期待できる限りのことをしている」と話したが、裏返せば、やれることをやっても潮目を変えるのが至難の業だと暗示したのだろう。
同氏が振り返った日本経済の力学は
- デフレ下で通貨安誘導を行い、介入で米国債を買った。
- 量的緩和で日本国債を買い入れた。
- 円が弱くなりすぎ、債券等を保有していた日本人が円安と低金利で損をした。
- 過去の力を反転させたいと方向転換したが、反転には日米の国債を売る必要がある。
国民が円安とインフレに苦しむ中、金利には上昇圧力が加わっている。
さらにAI関連投資の資金調達も重なり、金利上昇を後押しする。
日本に限らず、インフレと金利上昇が悩みの種になっている。
ダリオ氏は世界の金融環境について先例から次のように予想する。
- 実質金利が上昇、金融引き締め
- 経済成長にブレーキがかかる
株高の中での金利上昇により、これまで株価の「緩衝材」として機能してきた株式リスクプレミアムが縮小した。
ダリオ氏は、好調な企業業績により現在はまだ株価は下落していないし、信用スプレッドも大きくは拡大していないと説明するが、今後については資金の「配給」を予想している。
「(資金の)配給制限は始まったばかりだ。…
だから、配給制限が本格化し始めるまで、金利は上昇するだろう。」
ここで言う「配給制限」とは、金融市場がその一部に資金を供給しなくなることを指している。
債務者の側から言えば、金利が高くなって借りられなくなることだ。
ダリオ氏は従前から、「配給制限」が立場の弱い債務者層から始まると予想している。
つまり、一般の消費者、特に低所得者であり、住宅ローンや自動車ローンがそれにあたる。
そして、その分野での「配給制限」は米国だけでなく日本でもすでに始まっているように見える。
