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レイ・ダリオ:危機が3年±2年のうちに来る

ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏は、最近の日米当局による金利抑制や為替介入について、同氏流の長期サイクル論どおりの展開と述べている。


政府の財政状況は転換点に差し掛かっていると確信している。
この問題に今対処しなければ、大きな傷なしには制御できない水準まで債務が積み上がってしまうからだ。
システムが弱い時でなく比較的強いうちに対処することが特に重要になる。
経済が収縮期に入れば、政府の借入れ需要が大きく増加してしまう。

ダリオ氏が自身のSNSで、米連邦政府の財政がのっぴきならないところにまで来ていると書いている。
同氏がいくつか挙げた数字から2つ紹介すると:

  • 歳入は約5.5兆ドルなのに対し、1年間の利払いが約1兆ドル、借り換え10兆ドル。
  • 10年後までに25-30兆ドルの追加借入れが必要になる(現状の連邦債務残高は約40兆ドル、公衆保有分は約32兆ドル)。

日本も決して他国を笑えるような状況ではないが、米国の場合フローで見て相当に厳しい状況にある。
スコット・ベッセント米財務長官は最近、2025年(暦年)の財政赤字対GDP比率が5.7%で今後は改善すると示唆している。
今後改善するのかどうかは別としても、単年度赤字がGDP比5.7%というのは先進国の中でも突出している。

ダリオ氏は以前からワシントンの政治家に対し、同氏が「3%、3面の解決策」と呼ぶ財政健全化策を提案してきた。
もちろん政治家らが採用する可能性は極めて低いのが現実だ。
ダリオ氏は、債務危機に発展しうるホライズンを語っている。

どうせ外れるのだろうが、もしも状況に変化がなければ、危機が3年±2年のうちに来ると予想している。

卓越した頭脳の持ち主は常人にはない先を見通す力を有している。
そして、往々にしてタイミングが早すぎる。
(しかも、本人も自覚している。)
今回は不吉な予想だから、タイミングが大幅に後ろに倒れることを願いたいものだ。
凡人がのんきに構えている間、ダリオ氏の脳裏には危機への道筋がスローモーションのように映っているに違いない。
同氏は、債務危機につながる3つの現象を挙げている。

1) 政府の歳入に対する返済負担が増え、主な政府支出を許容できないほど圧迫する。
2) 政府債務に対する需要に比べて債務発行額が大きくなりすぎて、金利が上昇し、経済が後退する。
3) 中央銀行がこれら状況に対し利下げで対応し、これが債券の需要を減らし、中央銀行が債務買入れのために貨幣を増発し、お金の価値を貶める。

これら現象が通常数十年かけて進み、ついに持続不可能になるのだという。

いずれのケースでも、債券が需要を喚起できるほど(価格)下落するか、債務がリストラされるまで、債券リターンは悪化する。

現状まだこれらすべての現象が限界に達したわけではないだろう。
ならば、仮にダリオ氏が正しいとするなら、債券はさらに価格を下げる(≒金利上昇)か、あるいはリストラされてしまうことになる。
先進国での債務リストラがすぐに来るようには見えないから、とりあえずは債券価格下落を警戒すべきなのだろう。

(次ページ: 日本こそ長期サイクル論の証明。投資アドバイス)

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