レイ・ダリオ氏は以前から、日本こそが同氏の長期サイクル論を証明していると公言してきた。
日本国債への投資を「悲惨な投資」と呼び、日本で起こっていることを要約している。
日本の債務性資産を国にとって都合の良い低金利にとどめつつ需要不足を補うため、日銀は大量の貨幣増発を行い、大量の政府債務を買い入れた。
それが、2013年以降、日本国債保有者が米ドル債務保有と比べて51%も負ける状況を生みだし、金との比較では76%も負ける状況を生み出した。
為替換算後の標準賃金では、日本の労働賃金は米国との比較で2013年以降55%も相対的に低下した。
これこそアベノミクス以降、私たちが見てきた光景だ。
政府は潤ったのかもしれないが、それは生身の日本人の負担によるものだった。
国内物価が低いのがせめてもの救いだが、それは国内賃金の低迷の裏返しであり、世界における日本人の買い負けを意味している。
それでも政府は存在し続けなければいけないのだろうから、この状況は「債券が需要を喚起できるほど(価格)下落するか、債務がリストラされるまで」続くのかもしれない。
日本国債のほとんどは国民が直接・間接に保有しているのだから、要は日本国民が行きつくところまで貧乏になるのだろう。
この問題において、特に日本において政府と国民の間には先鋭な利益相反が存在する。
ならば、政府に頼ることはできず、自衛に努めるしかない。
ダリオ氏の提示する力学に照らして考える限り、どんなに政府に減税やバラマキを促したところで、そのツケはインフレ・通貨安の形で国民に返ってくるだけなのだ。
ダリオ氏は最後に一般的な投資アドバイスを付け加えている。
内容にこれまでと大きな変更はない。
一般的なアドバイスとして、強いI/S・B/Sを持ち、国内の政治や対外的な地政学において大きな対立のない資産クラス・国で分散するよう促したい。
債券のような債務性資産をアンダーウェイトし、金や少量のビットコインをオーバーウェイトするとよい。
金を資産の小さな比率、おそらく10-15%持てば、ポートフォリオのリスクを低減することができ、同時にリターンを向上させるだろう。
