かつて終末博士(Dr. Doom)と呼ばれ、今ではブーム博士と呼ばれるようになったヌリエル・ルービニ ニューヨーク大学教授が、米経済への強気見通しを継続しつつ、FF金利については利上げの可能性を指摘している。
「過去20年間の米成長率はかろうじて2%。
2020年代の終わりまでには少なくとも4%になると予想している。
すでにデータからはパンデミック以降、生産性(の伸び)が倍になったと示唆され、2%超近い。」
ルービニ教授がBloombergで強気スタンスを継続した。
教授は、AIをはじめとする技術革新がもたらす生産性上昇を重視し、それがマイナス要因を打ち消して余りあると見ている。
ルービニ教授は、トランプ政権による「悪い政策」が経済にマイナスに働いてきたと認めている。
しかし、そうした「悪い政策」は毎回「市場の規律」によってTACOに追い込まれたという。
「テックはトランプ関税を打ち負かし、テックはトランプの癇癪(temper tantrums)を打ち負かす。」
結果「悪い政策」の影響は-50bp程度に限定され、技術革新がすでにもたらした+200bpが凌駕したと解説した。
ルービニ教授は、米経済がさらに強まり、一方で原油価格の低下によりインフレが鈍化すると予想する。
インフレ鈍化を予想する一方で、1-2回の利上げは可能との見方だ。
AI・技術・これら大きな追い風により経済は力を増す。
これらは政策金利にはあまり依存しない。
政策金利が50bp引き上げられようが引き下げられようが、テックブームにとっては大したことではない。
経済や成長エンジンの強さとはこういうことだろう。
短期金利が少々上げ下げしたぐらいで揺らぐようなものではない。
50bpの変動で大きく影響を受けるのは、ゾンビ企業や、専ら金融工学に支えられた錬金術の類なのだろう。
ルービニ教授の視点はインフレではなく、潜在成長率の方にある。
「ウォーシュFRB議長は生産性上昇でインフレが下がればFF金利を下げるべきと主張するが、潜在成長率が高まるなら実質金利が短期・長期で高まる可能性がある。
だから、(名目ベースの)政策金利・長期金利への影響は打ち消されるだろう。」
