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「己の為すことを知らざれば、敵も己の為すことを知らず」:デービッド・アインホーン

デービッド・アインホーン氏率いるグリーンライト・キャピタルが、2026年第1四半期の投資家向け書簡で投資家の苛立ちを滲ませている。


「グリーンライト・キャピタルのファンド(以下「パートナーシップ」)は2026年第1四半期、手数料・費用差引後で+6.5%のリターンとなった。
同期間のS&P 500のリターンは-4.4%だった。」

グリーンライトは今年の第1四半期、絶好のスタートを切ったようだ。
取引別の寄与度は:

グロスの寄与 アルファ
ロング 1.5% 6.7%
ショート 4.8% 2.2%
ショート(インデックス) 0.7% -0.1%
マクロ 1.5% 1.5%
合計(グロス) 8.5% 10.3%
合計(ネット) 6.5%

エクスポージャーの平均はロング82%、ショート46%。

書簡は紛争に揺れる市場環境を次のように総括している:

誰も驚かないだろうが、わが社は再び資本保全を最優先事項に据えている。
下方リスクの市場織り込みが極めて小さいので、何らかの下方シナリオが実現した時に優位に立つために、起こりうる反転上昇でのチャンスを逃すリスクを冒してもよいと考えている。

書簡は、先が読めない、という点を強調している。
ドナルドと孫子(Sun Tzu)を組み合わせたDon Tzuという人物(架空だが誰かに顔が似ている)の格言を紹介している。

「己の為すことを知らざれば、敵も己の為すことを知らず。」

先がわからないから、グリーンライトは様々なシナリオを想定しており、それは多岐にわたっている。
そして、それぞれのシナリオを市場がどの程度織り込んでいるかを評価したのだという。

「私たちの評価では、ほとんどの投資家は主に好ましい結末に基づいてポジションを取っていることがわかった。・・・
投資家は『爆弾投下が始まった』という大見出しが最終的に『爆弾投下が停止した』という大見出しに代わると考えているようだ。・・・
過去数年、投資家は、悪いニュースで売るな、との条件反射を植え付けられてきた。」

本来はボトムアップ型のファンドであったグリーンライトだが、リーマン危機以降トップダウン型のマクロ投資も併用している。
予見の難しい環境ではますます重要性が増しているようだ。

金融政策に関連し、同ファンドはSOFR(担保付翌日物調達金利)先物のロングを継続しているとし、短期金利低下を予想する理由を説明している:

「原油価格は経済成長に逆風であり、雇用への脅威だと考えている。
新議長はFRBの枠組みを『データ次第』-経済データの後追いに終始する-からフォワードルッキングに変えるだろう。
歴史上、原油価格ショックは多くの景気後退に先行した。
新議長は景気後退を回避しようと利下げすると信じている。」

近年グリーンライトは金投資によるパフォーマンスへの寄与を享受してきた。
この四半期も金と金のバイナリーコールオプションで稼いだという。
オプションはポジションを縮小したが、金へのエクスポージャーは継続しているというから、脱ドル化へのベットを続けているのだろう。

米投資家もストレスが溜まっているようだ。
書簡の最後では、1970年代の有名な外食チェーンのコマーシャルソングが紹介されている。

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