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TIPSとIボンド: 日本もIボンド的なものを検討してもよいのでは

興味深いのは、米国のエコノミストのアニマル・スピリットだ。
米国のエコノミストには、経済を論じるだけでなく自ら積極的に投資する人が多い。
かつて物価連動債を研究したジル・セティナ教授は、自ら長年にわたり物価連動債に投資してきたと明かしている。


「私が学生たちに対し話す(投資の)基本的な理由とは、将来より多く消費することができるように貯蓄する、というもの。
消費を先送りすることで実質の購買力が高まらないなら、あまり魅力的ではない。」

金融リテラシーの面で言えば、やはりアメリカ人は日本人より感度の高い人が多い。
インフレが社会の大きな問題となる中で、インフレに弱い、デュレーションの長い債券が避けられ、株式が好まれる傾向がある。
一方で、価格変動リスクを大きく取れない投資家にとっては株式以外でインフレ・ヘッジしたいとの希望も強い。
物価連動債は有用な選択肢だ。

セティナ教授は物価連動債を「ポートフォリオに組み込むのに良い商品」と話し、7月のFOMC前に自身が採用した戦術についても明かしている。

「私は7月FOMCで利上げを予想していなかった。
私は1年から6年の物価連動債をラダーと呼ばれる形(訳注:1年ずつずらした償還期限のものを同額ずつ)で買った。…
私は短めの年限にとどめた。」

セティナ教授は、物価連動債を有用なインフレ・ヘッジと認めつつ、危うさも感じているのだ。
1-6年のゾーンでは3%超の「とても素敵な実質利回り」が得られるのだという。
一方で、仮にCPI算出法が指数が低下するように変更されるなら、物価連動債で得られる将来リターンはその分低下してしまう。
だから長期を避けたのだ。

物価連動債は有用でありながらも危うさも無視できないようだ。
それでもセティナ教授が奨めるのには理由がある。

インフレ率が3%を有意に超えると、60:40ポートフォリオはダメになる。
だから、投資戦略の債券の要素については変更を検討すべきかもしれない。

インフレが高まると、株価と債券価格が正相関に転ずることがある。
インフレ退治のための利上げ、インフレによる自律的な金利上昇により、両価格が下落するためだ。
こうなると株式と債券の組み合わせのリスク分散効果が消滅してしまう。
一方、物価連動債ならインフレ上昇については一応ヘッジされている。
(ただし、すべてではない。)

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