ブリッジウォーター・アソシエイツが、投資家向けメールと公式ビデオで、各国財政の持続性とAIブームが生み出す投資機会について解説している。
「…皆が同意することの1つは、現在の(いくつかの主要国財政の)状況が持続不可能ということ。
その持続不可能な状況がいつまで積み上がり続けるのかが大きな問題だ。」
グレッグ・ジェンセン氏が公式ビデオで、いくつかの主要国の財政について明らかに持続不可能だと語った。
ただし、どこに限界があるのかは債務対GDP比率のような単純な数字では測れないという。
同氏は次のような現象を「最終的な限界」と考えている。
・通貨が弱くなりすぎる
・インフレが高まりすぎる
・資産バブルが発生する
ジェンセン氏は、こうした限界を左右するものとして次のような要因を挙げている。
・生産性
・国内貯蓄
・制度への信認(外国人の国内資産保有意欲)
同氏は、日本が高い債務対GDP比率まで耐えてきた理由を豊富な国内貯蓄にあったと指摘している。
同社は、多くの指標から独自に推計した、政府財政の持続性のワーストランキングをグラフで示している。
(ビデオの22:30あたりに勘案した指標と結果のグラフがある。)
主要な国・地域が対象にされており、脆弱性の高い国・地域から次のように示されている。
1. ブラジル
2. 米国
3. 英国
4., 5. 日本と欧州(僅差)
6. カナダ
7. オーストラリア
国別の状況については次のようにコメントされている。
- ブラジル: 根本的対処が必要
- 米・英: 代償なしには吸収不可能。解決には政治的困難がともなう
- 日・欧: まだ危険領域にはない
- 加・豪: 余裕あり
ジェンセン氏によれば、米国は1.5%金利を押し下げれば、利払い負担が低下し、現状の政策でも持続可能になりうるという。
しかし、その場合はインフレが高水準となり、信認の低下により政府の債務発行が消化できなくなる。
つまり、当局による市場介入等による金利抑制では解決しない。
同氏は、解決のための2つの可能性を挙げている。
・財政再建: 債務増大を減速し金利を下げる
・生産性上昇: 年3%台に
ジェンセン氏が、日本をまだ危険領域ではないとしたことはある程度喜ぶべきことなのだろう。
同氏によれば、日本は国内貯蓄に助けられたことになる。
何が起こったのか振り返れば、リフレと円安誘導で財政ポジションを改善したわけだ。
その源泉が国内貯蓄であるということは、その貯蓄が減価したことを示している。
つまり、政府が助かり、国民がその大半を負担したのだ。
政府がこの方向性を続ける限り政府財政には有利に働くが、それはおそらく国民を貧しくする要因でもあり続けるのだろう。
(次ページ: AIへの期待のギャップが投資のチャンスに)
