みずほ銀行の唐鎌大輔氏は「ドル離れ」はまだ進行中だとして、無視すべきでないリスク・シナリオを提示している。
強気のメイン・シナリオに浮かれがちな市場であるがゆえに、頭の片隅に留めておくとよいだろう。
「米企業は素晴らしいが政府は嫌だ、というのがはっきり市場心理に表れている。」
唐鎌氏がTBS CROSS DIG with Bloombergで、対米証券投資に表れた米国外の投資家の選好について解説した。
依然として米国株は買われているが、米国債の人気は振るわないとし「ドル離れの一端」と分析した。
こうした見方は今始まったことではない。
米金利が上昇し始めた段階で、ドルに投資せざるをえない外国投資家が米国債を避け、代わりに大手テック株を買っていると言われるようになった。
唐鎌氏は、2024年9月からのFRB利下げサイクル以降、長期金利が低下せず上昇している点についても同様の国際資本フローが効いていると話した。
実効FF金利(青)と米10年債利回り(緑)

唐鎌氏は、米金利がFRBの意図より高止まりしており、これがニューノーマル(新たな常態)なのではないかと推測した。
仮に、高めの金利がニューノーマルなら株価の割高感が意識されるようになるとし、次のようなリスク・シナリオを提示した。
どこかでドル離れが争点化してテーマになった時、米国株がドカンと落ち…逆資産効果で個人消費が停滞し、GDPが悪化し、FRBが利下げを迫られ、円高になるというリスク・シナリオをずっと心配している。
あくまでリスク・シナリオとしての提示だが、米国株に投資している日本人投資家へのインパクトは小さくない。
「仮に現実になれば、米国株急落と円高が同時にやってくることになり、『NISAはオルカンでいい』と言っていた人は思い切り往復ビンタを食らうことになる。」
米国株市場が急落すれば、当然米国株インデックス・ファンドが急落し、さらに円高ドル安の場合、為替差損が乗っかってくる。
オルカンは世界の株式市場に投資するが、連動する指数MSCI ACWI Indexに占める米国株の比率は7月末で63.6%と高く、こちらも米国株下落・円高の影響は大きいことになる。
