JPモルガン資産運用部門のデービッド・ケリー氏らがドットコム・バブルを回顧し、イノベーションがもたらす株式ブームにおける投資法を語っている。
「みんなとてもワクワクしていた。
1999年に中古家具の商売をしていた友人とホッケーをしていた時、インターネット株で儲けたお金だけで5年のうちに引退する計画を立てていた。
みんな純粋にインターネット株にワクワクしていた。」
ケリー氏が自社ビデオで、1990年代終わりのドットコム・バブルでの一コマを回想した。
それまで投資に無縁だった人、それに近かった人たちさえ「ワクワクしていた」のだ。
これと似た光景は1980年代終わりの日本のバブルでも見られた。
今で言えば、長く続いた株価上昇が今後も続くと外挿し、株式リターンでFIREを夢見る人たちに当たるのかもしれない。
イノベーション、新たな技術がどのように世界を変え、どのように収益を生むのかを予想するのは至難の業だ。
しかし、ケリー氏によれば、人々は投資対象の中身が理解できなくとも、株価さえ上がっていれば「ワクワク」するのだという。
同氏は、同様のことが暗号資産の分野でも見られたとし、FOMO(取り残される恐怖)が助長したと暗示している。
「それは、これまでの暗号資産バブルと少し似たところがある。
暗号資産の投資家でそれが詐欺だと思わない人は、暗号資産を理解しているとは言えない。
でも、理解していなくても、価格が上がっていることは理解している。
いつも軽く見ていた義理の兄弟がテック株でひと財産築くのを見るのは最低最悪の気分だろう。」
ブロックチェーンにしてもAIにしても、それらが金融・投資と結びついて発生したブームについてはドットコム・バブルと比較されることが多い。
- 新技術によるものであること
- 株式等、一部資産クラスでの熱狂であること
- インフレ低下・生産性上昇を背景に金融政策が後押しうること
など理由はいくつもあろう。
ケリー氏は、現在のAIブームとドットコム・バブルの間の大きな相違点を指摘する。
現在のAI投資の多くはハイパースケーラーによるものだ。
彼らはしばらくはその資金を既存事業で賄える。
だから、経済が急低下する危険は現在ははるかに小さい。
その一方で類似点も多く挙げる。
- 投資家の熱狂ぶり
- 技術が最終的に世界をどう変えるか予見できないこと
- 株式市場の高バリュエーション
その上で、投資家の側が肝に銘じるべき「類似点」をいくつか繰り返し説いている。
最も重要な類似点は、私たちが知らないということを認識すべきであること。
現在のAI業界のリーダーのどれが最終的にこのAI革命の恩恵を受けるのかわからない。
だから、その点に正直になること。
賭けを過度に集中しないこと。
おそらくAIが経済全体で生産性の恩恵をもたらす点を認識すること。
しかし、テックに賭ける場合は幅広く賭けること。
また、すべてが良くない方に転んで再び78%下落した時のために、テック以外にも投資すること。
