JPモルガンのジェイミー・ダイモン氏が、米国債・米国株に対する個人投資家としてのスタンスを語っている。
The Master Investor Podcastで「長期国債を買うか?」と尋ねられ、ダイモン氏が答えた。
個人では買わない。
銀行の債券保有の目的は投資パフォーマンスだけではないから、JPモルガンがある程度長期国債を保有するのは当たり前のことだ。
一方、ダイモン氏は個人としては買わないと明言している。
これは投資パフォーマンスの観点からの発言だ。
ダイモン氏は、直近のインフレ・データが低下傾向を示しているものの、まだインフレの鎮静化を信じる段階ではないと話す。
さらに、仮にインフレが鎮静化するとしても、妙味が感じられないという。
「仮にインフレが2%であったとしても、10年債は4.0-4.5%、短期金利は3.25-3.50%であるべきだろう。
今と大して変わらない。
インフレが2%に下がると予想したとしても、アップサイドは考えられない。」
米CPIは6月に低下傾向が見られたが、FRBの2%目標を過去5年間上回り続けている。
米CPI前年比 コア(青)、総合(赤)

「経済史を振り返ると、1974年の不況後に起こったことが頭から離れない。
今より財政赤字は少なく、ベトナム戦争による《大砲もバターも》(訳注:軍事・民生の両方での財政拡張)は終わっていた。
インフレは3.5%から5%、7%、9%、11%へと上昇した。」
1970年代の米CPI前年比 コア(青)、総合(赤)

ダイモン氏はAIブームについて尋ねられると、AI技術が極めて有望な技術革新であること、社会に副作用ももたらすことを指摘した後、投資採算の観点からコメントした。
「全体として採算が合うかといえば、インターネットがそうだったように、おそらくYesだ。
あなたが期待する期間で期待するように見合うかといえば、間違いなくNoだ。
ヤフーやネットスケープを思い出せば、これら企業は破綻したが、グーグルやフェイスブックはうまくいった。」
2000年のインターネットバブルでは、業界のリーダーであり続けると目されたトップ企業がいくつも存在したが、その中で生き残ったのはアマゾンなどごく一部に過ぎなかった。
多くは消滅し、バブル時にはまだ存在しなかった、あるいは注目を浴びなかったような企業がインターネットの果実を社会にもたらした。
ダイモン氏は現在の米市場の織り込みについて「完璧を織り込んでいるのではなかろうが、良い結果を織り込んでいるだろう」と話した。
S&P 500は買えるかと尋ねられると、そもそも自分はインデックス投資ではなく個別投資の投資家だと返した。
最近、株は買っていないと明かしている。
最後に視聴者へのアドバイスを求められると、全力を尽くすこと、そして学ぶことと答えた。
そのため本と人々から学ぶよう勧めている。
読書家として知られるダイモン氏は、様々な立場・考えの本を幅広く読むよう促した。
「1つのモノにこもってはならず、歴史を多く読むこと。
歴史は何がうまくいって、何がうまくいかないか、たいへんな時代に人々はどう対処したか・・・良い時代にどう間違ったか、教えてくれる。」
