ふくおかFGの佐々木融氏が「対症療法では止まらない円安・債券安」と題するコラムをReutersに寄稿している。
「対症療法だけしか行わないと、最後は通貨危機に」なりかねないとの主張だ。
原典は日本語なので、読者自身で読むことをお勧めする。
ここではその中から、なぜドル円相場が近時のように煮詰まっているのかについて解説した部分を紹介しよう。
・・・警告を発したり、介入などの対症療法だけを行うと、短期的な動きに反応する投機筋は円を売るのは止め、逆に介入期待で円を買うことになる。
しかし実需の円売りの圧力が強い中、円高の動きが続かないため、投機筋はすぐに円を売り戻すことになる。
今回の円安の主役が政府の言うように本当に「投機筋」なのかは大いに疑問があろう。
投機筋は売ったら比較的短期間で買い戻すし、買ったら売り戻す生き物だ。
政府があまりにもあからさまに介入をちらつかせたことで、介入ラインと目されるところで円が買われた。
しかし、4月末からの介入で効果が限定的なものにとどまった記憶が残る中、その後実際の介入が行われないまま時間が経てば、本当の投機筋は円を売り戻し(つまり円安要因となり)、これが市場が想定する介入ライン付近で煮詰まる原因になる。
佐々木氏は実需筋の反応も代弁する。
日本の輸入企業、対外直接投資を考えている企業、持っているだけで実質的に目減りする円から逃げたいと考えている家計や投資家は今や介入でドルが下落したところで、円を売ってドルを買いたいと考えている。
そして、投機筋は介入期待があっても、円高にならないので、介入期待の円買いを行わなくなる。
その時、円安が加速してしまうことになる。
市場は想定するドル円の介入ラインをじりじりと切り上げている。
ゴールドマン・サックスは今月、今後12か月のドル円予想を従来の155円から165円へと円安ドル高方向に見直した。
他の海外勢にも同様の見直しを発表する会社が出ている。
チャートはすっかり煮詰まり、三角持ち合いを指摘する声もある。
ようやく閣議決定された骨太の方針が(足下では)円高より円安を指す内容であるのは間違いなかろう。
いかに為替市場が水物とは言え「円安が加速してしまう」土壌は出来つつあるようにも見える。
