FPを運営する弊社(浜町SCI)はかつて国内中小型株に特化した運用を営んでいた。
効率的市場仮説を疑うほど順調に進み、極めて安定的なアルファを稼ぐことができた。
そこでリーマン危機が起こった。
それまで稼いだアルファも含め、累積リターンの少なからぬ部分が一瞬で吹っ飛んだ。
銘柄選択(ミクロのボトムアップ)の質自体は間違っていなかったが、マクロ的な大きな引き潮からは逃れられない。
幸い傷はかなり早く癒え、アルファも失われていなかったことがわかったが、一時的でも大きなドローダウンを被ったのは事実だ。
株式投資においてもちろん相対リターンは重要だ。
株式への長期投資がプラスのリターンをもたらすなら、プラスの相対リターンは市場より優れた絶対リターンを与えてくれる。
しかし、大きな下げ相場では、良好な相対リターンがマイナスの絶対リターンを正当化するものでないことを心底思い知った。
これを契機に弊社は中小型株のみへの特化を取りやめた。
自己資金の多くをマクロに連動しやすい資産クラス(外国株の特定セクター、外債、REIT等)に向け、収益のある程度の安定を図った。
銘柄選択だけでは時として飯が食えなくなるかもしれないと悟ったのだ。
大まかに言えば、日米ともに株式市場は十数年にわたり上昇基調が続いている。
かつてのノーマルを超えた政策支援が大きな一因となっているが、それもインフレが立ち上がれば継続が困難になるかもしれない。
NISAやiDeCoの投資家には、大きなドローダウンの経験がない、あるいは記憶が薄れた人も少なくなかろう。
一方、投資環境は良くも悪くも大きく変化したように思える。
ITの発展、拡張的金融・財政政策、世界の分断、生成AIなどは市場に偏り・急変を招いてきたし、今後も続くかもしれない。
レイ・ダリオ氏はマクロ投資の利点を熱弁している。
「対照的に、グローバルマクロ ロング-ショート投資家ならすべての国の流動性のある異なる市場(株式、債券、金ほかの市場)にロングからでもショートからでも投資でき・・・どんな環境でも儲けるチャンスがある。」
単一の市場でのロングオンリー戦略に比べ、幅広い分散とショート(空売り)が活用できるのである。
もちろんグローバルマクロ ロング-ショート投資なら容易に儲かるということではない。
下手をすれば当然大損をしかねない。
ダリオ氏はその厳しい側面にも触れている。
グローバルマクロ ロング-ショート投資家が儲からない場合、自分の悪い判断以外の言い訳は許されない。
