ジェフリー・ガンドラック氏のOx Talksインタビュー前編からその他の興味深い発言を紹介する。
「この業界で経験があると主張する資格のある人たちの多くは、それが15年、25年の経験であれ、一度もこれまで本当の金利市場を経験していない。
彼らは2%が正常だと考えており、0%に戻ると思っている。
私は、米金利は0%に戻らないと深く信じている。」
「15年、25年」と言えば立派な経験だ。
しかし、その期間のほとんどはディスインフレであり、さらに人為的な低金利の時代であった。
これは債券市場だけの話でも、現役世代だけの話でもないだろう。
株式市場では最後の深い弱気相場からすでに18年が経ち、そうした深い弱気相場を経験していない投資家で溢れかえっている。
また、過去ノーマルとされた金利水準や株式の弱気相場への記憶は、老人たちの脳裏からも消えかかっている。
こういう時こそ資産市場が活況を呈しやすいことを忘れてはいけない。
そして、それを知りつつ適切なリスクテイクを続ける姿勢が重要だろう。
「次の景気後退では、大規模なツイスト・オペがない限り、長期金利は上昇するのではないかと心配している。」
ガンドラック氏は、米国がゼロ金利に戻ることはないと予想するだけでなく、さらに景気が悪くなっても長期金利が上昇しうると心配している。
「大規模なツイスト・オペがない限り」と条件を付けているのは、同氏が少なくともある程度の「ツイスト・オペ」あるいは長期債買入れを想定していることを暗示する。
ガンドラック氏は、どのタイミングでそれが実施されるかを虎視眈々と待ち構えている。
今は長期債を避けているが、米財務省・FRBが長期金利抑制に本腰を入れる(または市場がそれを織り込む)直前に長期債・中期債を買えれば、大きなキャピタルゲインが得られるためだ。
「ハイパースケーラーらはAI分野での勝者となるために可能な限りのキャッシュを燃やそうと決心している。
彼らは極めて残忍な人たちで、すべてが勝者にはならず、多くの人たちが破綻するだろう。
真の問題とは、みんな他社より多く支出しようとしており、(調達金利の)スプレッドが大きくなるにつれ…手遅れになる前に資金調達すべきとの恐れから、資金調達を加速していることだ。」
市場では、AI関連の資金調達が金利上昇によって抑制されにくいと解説されることが多い。
AIという途方もなく有望な分野のためには金利など大した問題ではないから、といった具合だ。
そうした解説も間違いではなかろうが、もう少し近くから見てみると、血を血で洗うような過酷な競争でもあるのだろう。
それが最近、債券市場で見られる信用スプレッド拡大をもたらし、さらには基準金利(国債利回りなど)の上昇さえ生み出したのだ。
