ジョセフ・スティグリッツ

 

スティグリッツ:いじめっ子は強く反発される

ジョセフ・スティグリッツ教授が、米中貿易摩擦について厳しい見通しを示した。
中国が弱腰で臨む可能性は低く、トランプが自ら取り下げるか、米裁判所がブレーキを踏まない限り深刻化しかねないと言う。

「みんなが目にしている証拠から、国家安全保障が本当の問題なのではなく、権限移譲を利用して他の目的に流用していることがわかる。」


スティグリッツ教授がBloombergで、トランプ関税の本当の狙いが国家安全保障でないことを明言している。
貿易摩擦が深刻化するか否かは「いくぶん不合理な」大統領と裁判所にかかっているとし、大統領は自身の権限だけで実行するために安全保障という看板を掲げているのだと言う。
そうでなければ、とりあえず対象とする国・除外する国の仕分け・説明に整合がとれないからだ。
23日の導入ではカナダ、メキシコ、EU、韓国、豪州、アルゼンチン、ブラジルを期限付きで対象から外している。
一方、同盟国である日本は対象とされている。

スティグリッツ教授はターゲットとされた中国について、極めて整然とした対応を採っていると指摘する。


「トランプが
『中国がこうやってきたから、米国はこうやる』
と応酬し、報復の応酬になれば、これこそ貿易戦争になる。」

スティグリッツ教授によれば、中国が弱腰の対応をする可能性は低いのだという。
「トランプのようないじめっ子」に対して弱腰で対処してもいい結果を生まないからだ。

「EUは懐柔策をとっている。
それは異なる戦い方と言えるが、貿易戦争での懐柔策はどんどん要求をエスカレートさせてしまう。」

さらに、スティグリッツ教授は、中国が持つ交渉の材料にも言及した。
中国は米国を牽制し、諸外国を味方につける手段を有しているという。

「中国は逆境で助けになる3兆ドルもの外貨準備を有している。
米国は、貿易戦争で影響を受ける特定の地域に対応できるだけの経済的枠組みを持っていない。
米財政の資源は伸びきってしまっている。」

中国は(実際にやるかどうかは別として)米国債を売ると脅すこともできるし、資金を他国に振り分け味方を増やすこともできる。
内向きに転じた米国は、関税で自らの強みだった購買力に蓋をしてしまえば、もはや軍事力ぐらいしか他国に訴求する資源を持っていない。


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