海外経済 投資

ジェレミー・シーゲル教授:原油とマネーサプライに注意。選別を強化せよ

ジェレミー・シーゲル教授が、市場によるAIブームの見方の変化、米マネーサプライについて注目している。


「仮にホルムズ海峡が解放されれば、市場は5-10%上昇するだろう。」

シーゲル教授がウィズダムツリーでの週次コメンタリーで、中東情勢について言及した。
先週の米国株市場で原油価格上昇、債券利回り上昇、AI投資への警戒が重しになったと述べ、原油価格や債券利回りに影響する中東情勢を心配したものだ。
一方、教授は、AI革命は終わっておらず、むしろ加速の可能性さえあると主張する。
変わったのは市場の方であり、投資判断がより高度化していると示唆した。

「…市場は、インフラを建設する会社とそのインフラから魅力的なリターンを稼ぐことのできる会社を区別し始めた。
常にそうであるように、バリュエーションが重要だ。
たとえ偉大な技術であっても、過剰に期待されてしまうと、劣った投資になってしまう。」

シーゲル教授は大きな方向性としてはAIに強気だ。
しかし、同日のCNBC出演ではキャスター陣に一本取られたように見える場面もあった。
キャスター陣は、教授よりもかなりAIに対して慎重だったようだ。
ハイパースケーラーらが大規模なAI投資を発表すると株が売られる状況が紹介され、仮に逆にAI投資が削減されるようならそれも相当に悪いニュースになるのではと尋ねられている。
シーゲル教授は「説明のしかた次第」と答えた。

「需要が低下したのか、それとも、より高い効率を達成し需要を満たす計算能力を供給できるようになったのか。
後者ならプラスだし、需要低下ならマイナスだ。」

この答えはキャスターにはあまり響かなかったようだ。
効率や生産性が上昇することと経済・企業利益・労働者所得の拡大との間の断絶が意識され始めているのだろう。
例えば、ハイパースケーラーが同じインフラで倍の生産性を実現したら(つまり投資を半減することに成功したら)チップ他の供給者の株価はどうなるだろう。

シーゲル教授は28-29日のFOMCについて、従前どおり、据え置きを予想する。
金融政策についてCNBCでは1点今後の懸念材料にも触れている。

米マネーサプライM2
米マネーサプライM2

信用創造、マネーサプライについて少し心配するようになった。
過去6か月、年率9%のペースで伸びており、パンデミックの間にジェローム・パウエル前FRB議長が誤って引き起こした急増以来のスピードになっている。
このままだと利上げにつながることが心配だ。

いくつか心配事を挙げているが、総じてシーゲル教授は経済・市場に強気を継続している。
心配事を反映し慎重な投資行動を勧めて週次コメンタリーを結んでいる。

原油価格上昇、実質利回り上昇、高いバリュエーションによって、さらなる株価上昇のハードルは高まっている。
プラスのサプライズのハードルはかなり高い。
仮に原油価格が戻り、実質利回りが安定すれば、株式はすぐさまモメンタムを取り戻す可能性がある。
長期のファンダメンタルズは依然として好ましい状況にあるが、今後、投資家はこの大きな強気相場で必要とされてきた水準より選別を強化し、バリュエーションへの注意を厳格化しなければならないだろう。

-海外経済, 投資
-, , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 本サイトでは、オンライン書店などのアフィリエイト・リンクを含むページがあります。 その他利用規約をご覧ください。