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佐々木融氏:利上げ加速なら1ドル150円前後、そうでないなら円安回帰

4月末からの為替介入からしばらくして、5月に高市首相が植田日銀総裁に必要に応じて国債を買い入れるよう要請したとの報道について、佐々木融氏は強い危機感を隠さなかった。


事実なら米国からすればとんでもない話になる。…
積極財政をするならそれでよいが、金利にプレッシャーをかけてはいけない。…
特に長期金利はダメだ。…
インフレになっている中で財政支出を拡大しようとしているのだから、長期金利が上がるのは当たり前。
これを抑え込もうとして日銀が(国債を)買い入れれば、通貨は大きく下落し、協調介入どころではなくなる。
この記事は数か月前の話であり、今は違うことを望みたい。

最近の円安・長期金利上昇の背景には(それが正しいか否かに限らず)日本の財政問題もあると考える人が多い。
佐々木氏は、米国が日本の財政にまでは口出ししないだろうと予想している。
その一方で、米政府が変化球でプレッシャーをかけてくる可能性について心配している。
それは、米格付会社に日本のソブリン格付引き下げの可能性を示唆させることだという。
仮にそうなれば、ベース・レート上昇にとどまらず、かつて恐れられたジャパン・プレミアム再燃も心配されるようになろう。

佐々木氏の発言の背景にある経済・市場への見方は常識的なものだし、日銀で介入事務を担当するなどの経験に裏打ちされている。
世間には多くの為替の専門家がいて、立派な知見・経験を有する人も多い。
それでも為替の世界では、意見が大きく分かれるのは珍しくない。
ところが、この数年、識者の見方がかなり収束してきているように思える。
総じて円安を予想し、円高を予想する場合でも、その《円高水準》は歴史的に見れば相当に円安になっている。
結果、円高方向の圧力は当局による為替介入・口先介入だけとなり、ドル円はいったん下げても底堅く推移する。
次の介入ラインと思われるあたりで煮詰まってくる。

為替介入という不可抗力の部分を除けば、このところの佐々木氏の円安予想は概ね的中している。
その一方で、介入の水準・タイミング・内容については、結果論で言えば、外れている。
しかし、これは予想が外れたのでなく、ジャンケンで先出しをしているのかもしれない。
おそらく

  • 日本政府はいよいよ切迫してきた
  • 米長期金利上昇が米政府の背中も押している。
  • ジョージ・ソロス氏の下でポンド危機を仕掛ける当事者だった、米国側の責任者が為替市場の裏を書こうと、あの手この手を考えている

つまり、佐々木氏の予想の一部が外れたように見えるのは、不吉なことが回避されたというより、むしろ事態が切迫しているのではないか。
サプライズを繰り出すのは米政府側だけではない。
日本政府の一連の行動も、理論と経験に基づいた考え方からすればサプライズに満ちている。
その意味で、良いサプライズだけでなく、悪いサプライズに対しても備えが必要だろう。

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