ふくおかFGの佐々木融氏が、7月30日以降実施されたと見られる為替介入の背景と今後の見通しについて語っている。
(ニューヨーク連銀が)ユーロ円でレートチェックした理由はおそらくドル安や米長期金利上昇を懸念しているのだろう。
佐々木氏がPIVOTで1日、7月30日以降の円買い・ドル売り介入における米国側の思惑を推測した。
28-29日のFOMCで政策据え置きが決まると、米30年・10年の金利が上昇した。
仮に30日からの日本の円買い・ドル売り介入で米国債が売られたとすれば、それはこれら金利上昇を助長したことになる。
米国側はそれを心配しつつ、やれる範囲で協力したというのが佐々木氏の見立てだ。
経済規模の大きな日本が新興国のような政策を採った結果、日本の長期金利上昇が米長期金利上昇の要因になるのを恐れているのではないか、と同氏は述べている。
佐々木氏は、米国が(有意な規模の)実弾による円買い介入には踏み切らないと予想している。
「弱くなっている通貨を買い支えるのには結構なリスクがある」とし、例として、アジア通貨危機の際に日本がインドネシアを支援するため行ったルピア買い介入の顛末を紹介した。
結局、介入を継続できず、停止してから2か月でルピア安が進み、1/5になってしまったという。
円の価値がすぐに1/5になることはなかろう。
しかし、米財務省が日本のために円買いをしたことで損失が出たら、さほど大幅な損失でなくともひどい罵倒を受けるのは想像に難くない。
円買い介入の限界
佐々木氏は、日本政府による為替介入にも限度があると述べ、いくつか理由を挙げている。
- 外貨準備高の制約により円買い介入には限度がある。
- 米国と約束した対米直接投資(5,500億ドル、約90兆円)の原資の問題。
- 日本企業が米銀から借りる場合も日本政府による政府保証を求められるので、外貨ポジションが必要。
佐々木氏は、1,000兆円の円預金を保有する家計が円売りを始めた場合には現状の外貨準備では太刀打ちできないと指摘。
その他の要因も合わせると現状の外貨準備では円の防衛は「おぼつかない」と話した。
(次ページ: 日本の税収増は本物か?)
