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佐々木融氏:もう円安になってもいいと思っているのではないか

ふくおかFGの佐々木融氏が、円相場の今後について自身の《感慨》を述べ、今後1-2週間でその真否が明らかになると予想している。


「(ドル円の)数字が大きくなっているので170円はそんなに遠くない。
10%動くだけで16円動くことになる。
例えば仮にここから10%ドル円が(円安に)動くとすると180円になってしまう。」

佐々木氏がPIVOTで、ドル円相場変動の5円、10円の意味合いが小さくなっていると説明した。
円安であろうと円高であろうと、円単位で見ると大きく動きうることを示唆したものだ。

ドル円は徐々に切り上がり、現在163円台で小幅に動いている。
近時の要因を見ると、円が売られたというよりは、主に中東情勢の悪化やFRB利上げ期待の高まりが米ドル買いを後押ししたことが大きかった。
それでも上値が重く、小動きになっているのは、市場が為替介入を期待または警戒しているためだろう。
具体的には5円刻みで言った場合の次の節目165円だ。

佐々木氏は、円安というよりドル高が効いている状況での為替介入の可能性について次のように語った。

今はドルが強くて上がっている側面が強いので(為替介入を)やらない可能性も高い。…
やっても効かないかもしれないこともあり、165円は単なる通過点にすぎず、やりづらいのではないか。

前回の介入は4月終わり、1ドル160円台で実施された。
155円まで円高に戻したが、5円の戻しは3%あまりにすぎない。
6月上旬には再び160円を超えた。
前回より3%あまり上回ったところで、なけなしの外貨準備を使って再び介入する意味があるのか、大いに疑問だ。
前回の為替介入の総額は11.7兆円。
6月末の外貨準備は1.28兆ドル(約210兆円)。
うち外貨(証券・預金)は1.09兆ドル(約180兆円)。
外貨準備には莫大な米国債も含まれており、すべてをすぐに使えるわけではない。
スワップは反対売買をともなうがゆえに、効果は短期的または限定的になる。
今後の展開次第では、外貨準備が十二分にあるとは言えないだろう。

佐々木氏は補正予算や骨太の方針が円安・長期金利上昇の要因になったと指摘し、今後の円相場に影響しうる要因をいくつか挙げている:

  • 消費税減税
  • 国債格付: 仮に格下げなら邦銀のドル借入れが難しくなり、企業がドル買いを強いられかねない
  • 利上げペース(日本、諸外国)
  • 中東情勢
  • 約束した対米投資: 80兆円だったのが円安で90兆円に
  • 日銀政策委員の入れ替え

佐々木氏は今後の方向性について感慨を述べている:

(政府は)もう円安になってもいいと思っているのかなと思う。
骨太の方針についても、別に何か変わったという感じはしない。
みんなこれだけ注目し、円が売られているのに、そのまま出て来る。
かつ消費税(減税)もやるのなら、円安になってもいいと思っているのかなと感じる。
私の感じていることが本当なのかどうか、ここ1-2週間でだんだん見えて来るのではないか。

政府が円安を放置する理由として、佐々木氏は円安によりインフレが進めば税収増(ブラケット・クリープ等)、株価上昇が起こり、国民が「なんとなく雰囲気として良くなっていると思ってくれることに賭けているのではないか」と話した。
一方、実際には現状水準の円安では不利益を被る国民が圧倒的に多いため、世論が変化してくるのかが今後のポイントになるという。

日本国債は大半が国内消化され、政府が債務者、国民が債権者だ。
インフレは債務者つまり政府にとって都合がよく、政府に恩恵が及ぶ分、国民が負担する構図になる。
政府の財政政策は出揃いつつあり、サプライズはほとんどない。
サプライズを望める相手は金融政策に絞られつつある。

佐々木氏は、現状に危機感をあらわにする。

対症療法ではどうにもならないのが誰の目にも明らかな状態になっているのに、本格的に利上げする等の対応をしないのなら、またもう一段フェーズが変わってくることもありうる。
そうなると加速しかねず、要注意だ。

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