佐々木融氏は、日銀が長期金利抑制のために長期債買入れを再開、つまり日銀バランスシート縮小を逆転すれば、さらに円安とインフレにつながると警告する。
一方で、今月15-16日の日銀金融政策決定会合では、月間の長期国債の買入れ額減額を来年4月以降停止すると決定している。
2027年1-3月までは現計画どおり毎四半期2,000 億円程度ずつ買い入れ額を減額するが、2027年4月以降は月間2兆円程度の買入れにするという。
これは、方向としてはバランスシート縮小とは逆行する変更だ。
佐々木氏は、月2兆円の買い入れならバランスシート縮小は逆転しないため、「それぐらいだったらしかたがない」と市場が受け止めたと代弁した。
同氏によれば、仮に日銀が当初計画どおりにバランスシート縮小を進めていた場合、長期金利には2つの逆方向の圧力になったという:
- 長期債需給の観点: 買入れ減額継続は上昇圧力
- 中央銀行の独立性の観点: インフレ圧力が強まらず低下圧力
海の向こうのFRBでは、17日にケビン・ウォーシュ新FRB議長の記者会見がタカ派的と受け取られた。
市場が予想する政策金利見通しが利上げ側にシフトし、長短金利ともに上昇したが、長期金利の上げ幅は短期金利のそれほど大きくなかった。
24日時点で、長期金利はFOMC前より低い水準に戻っている。
FRBがインフレ退治に本気を出すと捉えられ、長期金利の上昇が抑えられたというのが無理のない解釈だろう。
佐々木氏は、日銀の金融政策に注文を付けている。
「実質金利のマイナスは良くない。
例えば(政策要因を除いたベースの)インフレ率が2.5%程度とするなら(政策金利も)2.5%程度にすべきだ。」
佐々木氏は利上げが家計に与える影響を解説した:
- 家計は預金超過であり、全体では利上げはプラス
- 住宅ローンのある家計は所得もあり、賃金上昇で負担の一部が相殺される
- 住宅ローンを借りていない低所得者・(消費の主力である)高齢者で購買力が失われている
佐々木氏は、マイナスの実質金利が実質的に税金と同様に作用し、国内消費にネガティブに働いているのではと疑っている。
