モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏が、米国株市場で進んできたローテーションについて興味深い解説をしている。
「先月の市場は(セクターが)集中した動きとなったが、これは1年を通した、1つのシクリカルの銘柄群から次の銘柄群へと移っていくローテーションの1つだ。」
ウィルソン氏がBloombergで、米国株市場で進むローテーションについて解説した。
同氏によれば、先週DRAM・半導体セクターが牽引役を降り始めたのだという。
ウィルソン氏は予想EPSの2回微分(変化率の変化率)に注目する。
半導体セクターで70%、S&P 500で30%と極めて高く、同氏は「持続不可能」な水準に達したと見る。
必然的に牽引役を譲らざるをえなくなっているというのだ。
ただし、ウィルソン氏は予想EPSの1回微分(変化率)がマイナスになるとは考えていない。
来年に向けてプラスの変化率が続き、つまり予想EPSは改善するとの予想だ。
このため、同氏は年末に向け、株価倍率が上昇しなくとも、株価上昇が継続すると予想している。
米国では最近、金融政策の方向性が利下げから利上げに大きく変化した。
今月だけ見ても、雇用統計やCPIが利下げの可能性を奪っている。
仮にインフレや金利上昇が強く意識されるなら、株価倍率への追い風は少なくなる。
しかし、たとえ倍率面での追い風がなくなっても、利益面で強気予想を継続するとの考えだ。
ウィルソン氏は、このセクター・ローテーションがコモディティに紐づいていると指摘する。
年初から牽引役が
- 金・銀
- 金属
- エネルギー
- DRAM・半導体
へと変遷してきたと説明した。
ウィルソン氏が2回微分に注目するのは、上昇のペースの持続可能性を見るためだ。
同氏は年初、金価格が30%低下すると予想していた。
根拠は、上昇ペースが速すぎたことであり、それが「正常」だという。
あるコモディティが人気化し関連銘柄が急騰すると、急騰したがゆえにペースダウンする。
ウィルソン氏によれば、市場にとって重要なのは次の牽引役が存在するか否かだという。
私たちは存在すると考えている。
私たちは消費財、輸送株など産業分野、地方銀行に注目している。
インフレや供給制約の時代にコモディティに紐づいたローテーションが起こっているとの考えには説得力がある。
しかし、次の主役に予想されているのはコモディティと比較的関連の薄いセクターのように見える。
これらいわば地味なセクターが資源やAIといった華やかなセクターから主役を引き継ぐことはできるのだろうか。
