ブラックロックのリック・リーダー氏が、世界的な実質金利の上昇傾向を指摘し、その背景を解説した。
7日発表の7月の米雇用統計は
- 非農業部門雇用者数前月比: 23千人減少(予想80千人増加)
- 失業率: 4.1%(前月比-0.1%ポイント)
- 平均時給前年比: +3.2%(前月は3.4%)
失業率こそ改善したものの、雇用者数が予想外の減少となり、賃金の伸びも鈍化している。
リーダー氏がBloombergでこの結果についてコメントした。
「賃金が上昇しておらず、これほど経済が好調なのに、そこから予想されるような労働者の需要が存在しないことを意味している。」
経済はともかく、雇用統計自体が弱かったのを受け、同日の米市場ではFRB利上げ予想が後退した。
S&P 500は前日比+0.62%、米10年債利回りは同-0.01%となった。
リーダー氏は、弱い雇用統計の背景を解説した。
「生産性革命が起こっているのだろう。…
みんなAIの効果が出始めていると言う。
私は、少ない労働者で事業を拡大し運営する方法を探そうという企業風土によるものと考えている。」
本当にAIによるものかは別として、とにかく米企業は《何か機会があれば人減らし》と考えているのだ。
リーダー氏は、インフレが残っているのが教育・医療・保険の分野だと指摘し、利上げがこれら分野のインフレを抑制する効果を疑問視する。
逆に、政府の債務問題を考慮すれば経済成長が必要との意見だ。
そのためには金融政策より規制緩和や財政政策の手直しが有効だと示唆した。
リーダー氏は、世界の債券市場で実質利回りが上昇しており、無理なリスクテイクなしに良好なリターンが得られると明かす。
債券運用は「なるべく退屈」な形で行い、ボラティリティのある株式市場、特に個別銘柄でリスクテイクしているという。
実質金利上昇の主因についてリーダー氏は米・英・日を始めとする国債の増勢とともに莫大な社債発行を上げる。
(債券)の供給は止まらない。
来週には莫大な米国債の発行がある。
だから、金利へのエクスポージャーを急いで取る必要はないと感じている。
クーポンだけ受け取っていればよい。
債券利回りはまだ上昇する可能性があると見ているのだろう。
ここを利回りのピークと見て急いで買う必要はないとの示唆だ。
