チャールズ・シュワブのリズ・アン・ソンダース氏は、最近の米長期金利上昇を「正常化」と呼び、歓迎すべきことだと話している。
(米国債)利回り正常化に向けた動きが続いている。
名目GDP成長率と比べても、インフレ水準と比べても、利回りはあるべき水準にあるだけでなく、名目GDP成長率との比較ではおそらくさらなる上昇の余地さえあるだろう。
ソンダース氏がThe Master Investor Podcast with Wilfred Frostで、最近の米長期金利上昇を「正常化」と指摘している。
最近の長期金利上昇に関し冷静な見方が支配的になってきた。
米財政赤字が深刻な状況にあるのは事実だが、それは過去数か月に始まったことではない。
金利が過去17年で見て高い水準にあるのも事実だが、それは過去数か月の上昇の原因とは言い難い。
米経済分析局による第2四半期のGDP成長率は
実質 1.5%
名目 8.0%
PCEデフレーター 5.3%
PCEコア 3.6%
確かに実質成長率やPCEコア指数と比べる限り、現状の4.75-4.80%程度の長期金利が高いようには見えない。
ソンダース氏は、この「正常化」を悪いこととは考えていない。
「パンデミックや世界金融危機の後遺症で金融抑圧にあった時期と比べれば、より正常な利回りの状態の方が幸せだ。
これら金融抑圧の時期、10年利回りは0.5%まで下がった。
誰もそんな状況に後戻りしたくはないだろう。」
金融抑圧を余儀なくされたのはまさに非常事態だったからであり、経済が回復すればこの程度の金利は当然の水準と言うべきなのだろう。
問題は金融抑圧、つまり実質マイナスとなるような超低金利が長く続くと、システムや経済主体がそれに慣れてしまう点にある。
言い換えると、正常化されては困るような経済主体が出来上がってしまうことだ。
ソンダース氏は足下の金利上昇においても株式市場のボラティリティが上昇していない点を指摘し、この正常化が「秩序だった」形で進行していると話している。
ただし、今後「秩序」が崩れたり変化が加速すれば要注意とも示唆している。
市場への悪影響が意識される水準としては、最初の心理的節目だった4.75%をすでに越えたことから、次は5%が意識されることになると予想した。
