JPモルガン資産運用部門のデービッド・ケリー氏らが1987年のブラック・マンデーを回顧し、現在へのインプリケーションを示している。
(1987年)8月にピークを打ち下落していた。…
(10月19日の大暴落の)前週の木曜日・金曜日に市場は100ポイントと大きく下落した。…
問題となったのは、みんな週末に検討し、状況がよくないと考えたことだ。
そしてブラック・マンデーに破滅的な大崩壊となった。
ケリー氏が自社ビデオで、1987年のブラック・マンデーを振り返った。
同氏は、1日にして20%超の大暴落を引き起こした背景について語っている。
- 高い成長率が続き、株式市場も長期上昇
- 大手機関投資家が市場の主役で、保守的な姿勢からアグレッシブな戦略へ変化
- 売買システムが近代化
- シカゴ市場で株価指数のオプションや先物が普及
- 「ポートフォリオ・インシュランス」(下落時に先物を売る。プットを買うなど)の登場
ケリー氏は、ブラック・マンデーにニューヨーク(現物)とシカゴ(先物)で起こったことを紹介する。
両市場が素早く連動しなかったことが傷を深くしたという。
「現物市場が下げるとみんな先物を売ったが、先物が売られ過ぎた。
先物が下がると、また現物市場が下がった。
それが始まり、あっという間に下落した。
もちろん、その他にもストップロス注文や追証などがあり、それが一緒に起こった。
これがニューヨーク市場とシカゴ市場の間で起こり、コントロールできなくなり、両方が崩壊した。」
こうした連鎖の可能性は、近年も特にETFなどで心配されてきたシナリオだ。
当時よりパッシブ投資が増えた今、心に留めておくべきかもしれない。
ケリー氏は、当局にとっての教訓をいくつか挙げた。
- 金融イノベーションや先物市場等を適切に規制すべき
- 市場が過熱した時にブレークを踏む「悪役」を引き受けるべき
ケリー氏は、ブラック・マンデー後に比較的速やかに米市場が立ち直った要因を3つ挙げた。
- 経済は良く、消費が悪化しなかった
- グリーンスパン・プットが発動された
- 預金保険があり、銀行危機の懸念はなかった
これら状況はある程度今もあてはまるのではないか。
一方、ケリー氏は投資家にとっての3つの教訓を挙げている。
- 市場は正規分布にならない。ブラック・マンデーは23(二十三)シグマのイベント。
- 投資先企業の吟味が必要。良い企業を合理的なバリュエーションで買えばリスクは低い。
- 「信用で米国株市場(指数)を買うなら、レバレッジをかけて高い株に集中しすぎることになり、脆弱になってしまう。」
ケリー氏は、1987年と今日の類似点として株価が高い水準にある点を指摘した。
バリュエーションは1987年よりも割高で、株式時価総額/GDP比率も当時は100%、今は300%まで上昇しているとした。
その一方で、問題が信用市場でなく株式市場ならば、経済への影響は限定的にとどまるはずとも話している。
1987年大暴落と言えば、日本人にとっては長い長い停滞の始まりの先触れのような出来事だった。
一方、米市場は速やかに回復し、山あり谷ありだったが、中長期で見て良好なパフォーマンスを上げ続けてきた。
ケリー氏は投資家にこうアドバイスしている。
これもまたバイ&ホールドせよというメッセージだ。…
でも、今の投資家に言うなら、バリュエーションを見ることが重要だ。
危険だから、ばかげた株価で買ってはいけない。
