ジェレミー・シーゲル教授がイラン紛争について「好ましい進展は見られていない」とし、米国株市場について短期で慎重なスタンスを継続している。
「私も大方のエコノミストも、イラン戦争のような地政学的イベントが進行中の時、雇用統計の重要度は小さくなると考えている。」
シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、引き続き経済・市場において不確実性の高い状況が続いていると指摘した。
同日発表の雇用統計の他、マネーサプライなどにも触れているが、結局は戦争の影響の方がはるかに大きいとの考えだ。
そうは言っても、3日発表の雇用統計が予想より強い結果だったのも事実。
シーゲル教授は、FRBの利下げ確率が低下したとし、自身は予想しないと断った上で、利上げも俎上に上がり始めると指摘。
ただし、それも戦争や原油価格次第だという。
米国株市場についてシーゲル教授は、PERが株価より下げ率が大きい(つまりEPSは上昇している)点を指摘した上で、下落リスクは続いていると慎重なスタンスを継続した。
今の市場では、みんなショートするのを恐れている。
トランプが好ましいツイートをしたり、何か好ましい進展があると急回復するためだ。
それで(はっきりした調整に)入っていない。
しかし、真実を言うなら、現時点では好ましい進展は見られていない。
シーゲル教授のコメントには、今のアメリカ人の感じ方がよく表れている。
教授の政治・経済上の信条は、かつての正統的な保守層と表現するにふさわしい。
今回のポッドキャストでも、大統領や政権がアナウンスする戦争のファクトや政策の効果について、ほとんど信じていないことは明白だ。
躊躇うことなくその場しのぎの嘘や出まかせを続ける権力者の下で、自ら真実を推測するしかない状況に置かれているのだろう。
「好ましくない短期的な進展に関し、まだ市場にはリスクがあると考えている。
長期では今までどおり強気だ。」
これまでと同様のスタンスをシーゲル教授は継続し、金利とインフレの状況を注視すべきと説いている。
これらが市場を押し下げるかもしれない。
(金利やインフレ上昇は)経済成長を意味するが、その成長は実質金利上昇で資本化(訳注:資本の価値が決まること)される。
経済成長やインフレは価値評価における割り算(分数)において、分子も増やすものの、同時に分母も増やすことになる。
分子と分母のどちらが上昇するかが今後の資産価格の方向性を決める。
シーゲル教授は、短期的にはこの綱引きについて慎重なスタンスを続けているという趣旨だろう。
