ケン・フィッシャー氏が視聴者の質問の中で、自分は「永遠のブル」ではないと否定した上で、強気バイアスの必要性を説いている。
「私が『永遠のブル』というのは正確か?
そうじゃない。
でも、たいていの場合、私にはバイアスがある。」
フィッシャー氏が自社ビデオで、視聴者からの質問に答えている。
自分は「永遠のブル」ではないものの、強気バイアスがあると認めている。
理由は単純明快だ。
「株式はある期間の3/4で上昇する傾向がある。」
要は、株式市場とは、3の間(時間の長さ)上昇し、1の間下落するということだ。
自然と強気が正解となる期間の方が長いことになる。
フィッシャー氏は、市場が相当に効率的であると考える投資家だ。
そういう考えの人が、3上昇し1下落という経験則に基づいて行動する場合、次のようになる。
弱気になるには強い理由が必要だが、強気になるにはたいした理由は必要ない。
株式市場で上昇の期間の方が長いとすれば、市場の基調を上昇と考えて行動するしかない。
(次のピークが直前のピークより高くなる傾向のある米市場ではなおさらだ。)
だから、ほとんどの株式投資ではロング(買い持ち)してナンボになる。
そういう市場で本当に価値のあることは、強気相場を言い当てることではなく、タイミングを含めていつ弱気相場が来るかを正確に予見することになる。
フィッシャー氏は、弱気になるための「強い理由」をこう説明する。
「弱気になる強い理由とは、景気後退を生み出すほど大きく悪い何かであり、他の人がまだ指摘しておらず、そのため株価に織り込まれていないことだ。
それを見出すのは難しい。
私はいつも探しているが、生身の人間なのでそんなにうまくない。」
相当に効率的な市場で、自分だけが(もちろん合法に)何か重要なことに気づいた時だけ、弱気になるべきというわけだ。
もちろん、これはそうそう普通の投資家にできることではあるまい。
それができないなら、弱気相場・調整などを予想しようというのは無謀なことなのだ。
並みの投資家は、下げを予想しようとはせず基本的にロングを続けろという結論になろうか。
もう少し賢明な投資家は、下げを予想しようと努力しつつ、それでもよほどの確信がない限り、少なくともある程度ロングを続けるべきなのだろう。
何の商売でも共通するが、最悪を想定して楽観的に行動しろ、というような姿勢が必要なのかもしれない。
