Q3. 欧・日・英の月額1,800億ドル(約18兆円)の量的緩和は継続可能か? どういう終わり方をするのか?
A. Yes.
仮に中央銀行が買い入れる国債がプラスの利回りだったとしても、中央銀行が得たリターンは結局は各国政府に納付される。
政府も中央銀行も資金繰りに変化はないから、グロス氏は継続可能と見ているのだ。
重大なのはここからだ。
グロス氏は、中央銀行が保有する国債を市場に売り戻すという約束は、守られない約束だと断言する。
ならば、結論は明らか。
QEの終焉は、保有国債の残存期間延長か永遠のロールオーバーしかない。
つまり、量的緩和に出口はないのだ。
永遠に続くことをもって量的緩和が終わるとは、なんとも矛盾に満ちた話だ。
ヘリコプター・マネーへの期待が高まる日本にグロス氏は言及する。
「もしも日銀が50年国債まで延長すれば、日本は他の国にとっての実験台になる。」
まさに、麻生副総理が着手し始めた行動である。
Q4. 投資家はいつ、現在の世界の金融政策が成功したと知るのか?
A. 「名目GDP成長率に注目しろ。
米国で4-5%、EUで3-4%、日本で2-3%が必要だ。」
グロス氏が名目成長率を重要視するのは、債務の元本を返済するために所得の増加が必要だからだ。
これが実現しないと、信用に基づく経済はポンジ・スキームになってしまい、いつか内部爆発するという。
Q5. 投資家は何をすればいいか?
A. 「リスクを減らして歴史的な水準より低いリターンを受け入れろ。」
名目成長率が一定の水準にならなければ、多くの資産クラスでロスが発生する可能性が高くなるとグロス氏は説明する。
「私は債券が嫌いだ。
私はほとんどの株式が嫌いだ。
私は未公開株が嫌いだ。
土地・金・ディスカウントされた工場・装置が望ましい。」
グロス氏は、個人がこれら望ましい投資対象に投資することが難しいことを認めている。
そこで言う。
「私が運用しているJanusのファンドはどうだい?
私もたくさん投資しているよ。」