なお、株主価値は企業価値から現金と金融債務を増減することになる。
しかし、アスワス・ダモダラン教授によれば、こうした「営業資産の価値が高い企業」においては、その影響度は大きくならないという。
言い換えれば、B/Sの簿価よりはるかに大きな評価を受ける銘柄では、現金や金融債務の影響が軽微になるという意味だろう。
今後IPOの目論見書が出てくれば詳細なデータが見えてくるが、ダモダラン教授は、評価結果に大きな差は出てこないと予想している。
いずれにせよ、評価はトップダウンな前提によらざるをえないからだ。
教授は、目論見書にはよりバラ色の将来が語られると予想し、それは誇大広告に過ぎないと切って捨てている。
それでも、IPOとなればBuy推奨がSellやHoldを大きく上回るとダモダラン教授は予想している。
(セルサイドからすれば、Buyでないと商売にならないのが現実だ。)
教授によれば、強気派のアナリストは将来予想を水増ししようとし、「おとぎ話」で類似企業との倍率の差を正当化しようとするだろうという。
ダモダラン教授は、テスラ株についても長い間、価値評価を続けてきた。
長い間、投資不可能な割高と結論していたが、業績拡大が徐々に進み、2019年に株価が下落すると、テスラ株を買った。
(その後、売っている。)
状況が進展すれば価値評価もそれにつれて変化すべきだし、いつか評価と株価が交差することもある。
教授はそれを実践している。
テスラと同じ、予想不可能な行動をとる経営者(イーロン・マスク氏)を擁するSpaceXにも似たような展開を予想しているようだ。
SpaceXも同じく予見しがたい道を辿るだろう。
それゆえに買いにくい銘柄となるが、過去20年テスラをショートした人たちが経験したとおり、SpaceXもショートする方がはるかに危険だ。
上述のように、SpaceXは強大な競争優位を有する独特な企業だ。
噂される1.75兆ドルのIPO価格で買おうとは思わないが、フェアプライスや割安まで1回調整があれば降りて来るかもしれない。
