ジム・チャノス氏が、12日にIPOを果たしたSpaceXについて、この株価での投資ではよい結果にならないと警告した。
「歴史的に、20-21世紀では間違いなく、市場や経済の規模と比べてIPOや流通市場が巨額となった時期には、概して投資家は少し慎重になるか、リスクを減らすよう奨められてきた。」
チャノス氏がBloombergで12日、米国株市場の先行きについて注意を喚起した。
同日NASDAQ上場を果たしたSpaceXの他、今年はOpenAI、Anthropicなどの大型IPOが控えていることを踏まえた発言だ。
チャノス氏は、100倍を超えるSpaceXのPSRを示し、歴史を振り返ってもこのバリュエーションでの投資では「たいして儲からない」、「リターンが酷かった」と語った。
同氏は、SpaceXのStarlink事業を「ちゃんとした事業」と評価する一方、xAI事業は「夢と希望」と表現した。
理由として、事業内容のブレを指摘している:
- 目論見書では、xAI事業のTAM(潜在的市場規模)のドライバーをxAIの企業向けソリューションと定義していた。
- 現実にはAnthropicやGoogleに計算資源をリースすると公表している。
チャノス氏はこの変化を「180度の転換」と話している。
「これはネオクラウド・モデルであり、機器のリース事業だ。
AIモデル企業やハイパースケーラーよりも、市場ではるかに低い価値とされる事業だ。
長くデータセンターを見てきたが、基本的に金融事業だ。・・・
利回りの事業であって、スーパーハイテク事業ではない。」
チャノス氏は、SpaceXがイーロン・マスク氏の会社であるがゆえに、株価に「イーロン・プレミアム」が乗っていると匂わせる。
Teslaに次ぐ「夢と希望」の企業がもう1つ、しかもはるかに高いバリュエーションで出現したと解説した。
チャノス氏は2023年にキニコス・アソシエイツでの受託事業を閉鎖し、業務をファミリーオフィスでの投資や顧客へのアドバイスに切り替えている。
自ら「セミリタイア」と語り、今ではパッシブ中心の運用だという。
キニコス時代には市場をロングし「ラジオアクティブ」な銘柄(崩壊が見込まれる銘柄)をショートして成果を出したが、今では保守的な運用に努めているという。
同氏は、GDPに対する規模において、現在の市場がドットコム・バブル時よりも膨れていると話した。
指摘すべき重要な点は、テクノロジーにおいてこうした設備投資ブームが起こる時、とてつもなく企業利益が押し上げられるということだ。
チャノス氏は従前から、売上・利益と減価償却費の間に計上時期のミスマッチが起こりうることを警告していた。
