何度となく思い出したように不安を誘うニュースが出て来るものの、その度にAI関連銘柄は持ち直し、先月末以降も回復の兆しを見せている。
アスワス・ダモダラン教授はこれをFOMO(取り残される恐怖)によるものだとし、楽観できることではないと示唆する。
AIへの投資が足りていないと信じるポートフォリオ運用者がいて、参入の機会を待っている。
調整が起こる度に、調整が続くのでなく、みんな『ついにAI分野の企業に投資するチャンスが来た』と言い、資金がAI企業に流入する。…
ファンダメンタルズを再検討し投資に戻ってきているわけではない。
ダモダラン教授はMeta、Alphabet、Microsoftについて資本投下に対する限界リターン(営業利益の変化÷投下資本の変化)に注目してきたのだという。
これら企業が巨大であることを考えると、資本利益率の低下は驚くほどだ。
投資した数百億ドルに見合う利益を出し始めないなら、これらはとても異なる種類の企業になっていくだろう。
資本集約的で投下資本利益率の低い企業だ。
それが悪いというわけではないが、これら企業に投資している投資家は、より資本集約的な企業への投資のリスクがどのようなものか慣れていないはずだ。
現在ハイパースケーラーと称される企業への投資家には、少し前まで資本集約的なレガシー・エコノミーを見限りアセットライトなデジタル・エコノミーに投資していた人も多い。
資産を保有するリスクが小さく、限界費用がゼロに近く、限界利益率が極めて高い企業群だった。
それが、AIブームにともなう投資急増によって、莫大な資本を必要とするレガシー・エコノミーに変貌しつつある。
レガシー・エコノミーにも優れた企業・株式銘柄は多く存在するが、事業のエコノミクス(収益構造)は大きく異なる。
FOMOに流されて参入した投資家はそれをしっかり意識できているだろうか。
