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【メモ】長期でのインフレ・金利上昇を懸念:ジェフリー・ガンドラック
2024年9月21日

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏の17-18日FOMC終了後の発言のメモ。


債券市場の長期側はインフレを恐れてFRBが積極的に利下げするのを望んでいない。
今年短期側の金利は大きく低下したが、長期側はそれほどでもない。

ガンドラック氏がCNBCで、FOMC直後に一時イールドカーブ全体が上昇した背景を語った。
利下げの影響を直接的に受ける短期金利は別として、長めの金利では大幅利下げがインフレ圧力を強めるとの解説だ。

以下、注目発言:

FRB利下げサイクル:
「債券市場は2年から5年、10年までとてもフラットで3.5%程度だ。
現状でのFF金利のターミナルレート(利下げの着地点)が3.5%であると示唆しているのではないか。
教務深いのは、2025年末のドットプロットも3.5%程度だから、FRBは市場とかなり同期したことになる。」

ガンドラック氏は以前から、FF金利が2年債利回りに追随すると指摘していた。
この発言は、今回もそれが起こり、FF金利が市場金利に一時的に追いついたことを意味している。
同氏は、FRBの出遅れがかなり解消したと見ている。

ガンドラック氏は年末までにさらに75 bpの利下げが行われると見て、年末のFF金利を4.125%程度と予想している。
(ドットプロットは4.5%の上下に集中している。)

景気見通し:
「今後出てくる経済データは弱くなっていくと予想している。
将来振り返った時に、9月24日が景気後退の始まりだったとされている可能性はまだ高いと考えている。」

言葉の定義にもよるが、ガンドラック氏は市場コンセンサスのソフトランディングより弱い展開を予想しているようだ。
(景気後退期は市場下落をともなうのが通例だ。)

ガンドラック氏は、不安材料として、ハイイールドスプレッド拡大、イールドカーブ逆転解消なども挙げている。

インフレの見通し:
「ジェローム・パウエル議長はインフレの(低下)傾向にかなり自信があるのではないか。
家賃とエネルギー価格を重視したわが社のインフレ・モデルでは、今後5か月でCPI総合が2%を割り込むと予想している。」

帰属家賃とコモディティ価格からインフレ低下を予想する人は少なくない。
帰属家賃は住宅価格に遅れて動くというのが大方の見方。
(ただし、ガンドラック氏は、住宅価格の先行きは未知数としている。)
一方、コモディティ価格はもう少し読みにくい。
ガンドラック氏は、自身のインフレ予想がコモディティ価格の動向に影響されうると認めているが、足元のドル安でも(ドル建て)コモディティ価格が下落してきた点を重視している。

「短期的にはインフレを心配する必要はないが、長期的には心配すべきだ。
だから、債券市場の長期側は少し心配しないといけない。
財政赤字がGDPの5%の状態から経済が転べば、財政赤字は大きく拡大し、大量の国債が発行されることになる。」

為替:
「ドル安が始まると、新興国市場の上昇が始まる。
他通貨を持つ勇気があるなら、ドル安が加速するとは限らないが・・・ドルベースの投資家にとって為替がとても面白くなる。」

小型株:
「S&P 500対Russell 2000は(小型株にとって)悲惨なものだったが、ダブルトップを経て反転したのではないか。
この利上げサイクル(訳注:利下げと思われる)がRussell 2000にとってはるかに強い追い風になるとかなり確信している。」

ガンドラック氏は、主に大型株で構成されるS&P 500の構成銘柄で変動金利債務が極めて少ない一方、金融を除くRussell 2000では変動金利債務が45%を占めていると紹介している。

金:
「金は保有を続け、現在の価格ならドルコスト平均法を用いる。」

ガンドラック氏は、銅/金比率の予見力、金が買われている理由にも言及した。

総じて言えば、ガンドラック氏の読みは従前どおりだ。
短期で金利低下、長期で(特に長期側で)上昇である。


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