PIMCOは海外投資家にとっての円債の魅力もアピールしている。
「グローバル投資家にとって、足元では為替ヘッジプレミアムが追い風となり、円建て債券の相対的魅力が高まっています。
海外の同等の債券と比べ、ヘッジ後利回りで上積みが得られます。」
海外投資家、たとえば米ドルの世界で生きている投資家にとって、円の短期金利は自国通貨のそれよりも低い。
低金利国に投資をする時の為替ヘッジでは、コストではなくプレミアムが発生する。
(日本人が米国に投資し為替ヘッジをするとヘッジコストがかかることの逆の話。)
だから、海外投資家にとっての妙味が増すというアピールだ。
「PIMCOは引き続き、利回り曲線の超長期ゾーン(30年国債など)を選好しています。
財政リスクへの懸念は残るものの、イールド・カーブのスティープ化に加え、財務省が超長期の発行を抑制しやすいインセンティブがこのポジショニングを支えています。」
近時、日本の長期国債・超長期国債の利回りは急上昇し、30年債利回りが一時3.8%を超える局面もあった。
PIMCOはこれがやや行き過ぎと見て、スティープ化したイールドカーブの長い方、特に30年あたりを選好しているようだ。
また、長期・超長期金利が上昇したことで、財務省がそれらの年限での国債発行を絞り、短期調達を増やす可能性がある。
こうした場合、超長期債が品薄になることで、利回り低下=債券価格上昇が起こりうると見ているのだろう。
「一方、中期ゾーンは、円安やインフレ加速の局面では相対的に脆弱と見ています。」
これは、日本の財政問題等、債券市場に悪影響を及ぼしうる要因がどの程度のホライズンで効いてくるかを暗示している。
ここでの「中期」とは3-5年だろうか、5-10年だろうか。
そういったホライズンでは日本の抱える問題は解決に向かわないと予想しているのではないか。
PIMCOはチャンスとともにリスクも挙げている。
1つは予想外のインフレによる日銀の追加利上げであり、もう1つは財政問題だ。
「高市政権の拡張財政は不確実性を高めますが、最終的には市場のけん制が働くとみています。」
つまり、トラス・ショックではないが、放漫財政のリスクが高まれば債券自警団が取り締まりを強化し、政権は財政に対してより強い「責任」を果たさざるを得なくなるとの予想だ。
この予想が現実的か楽観的かは、日本の現状をよく知る読者の判断にお任せしよう。
