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労働力と資本のクラウディング・アウト:モルガン・スタンレー

モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏が、昨年第4四半期から現在までの米国株市場の動向をまとめている。


「米長期金利は昨年10月にピークを打ち、それと同時に米国株が底を打った。」

ウィルソン氏が自社ポッドキャストで18日、最近の米市場の上昇局面を語っている。

ウィルソン氏によれば、昨年10-12月の株式リターンのほぼすべては金利低下によるバリュエーション拡大によるものだったという。
米国債発行予定、投資家のポジション、FRBの政策変更により債券が買われ「大きな債券のスクイーズ」となった。
この金利低下が株価を押し上げたという。

今年に入ると状況は一転する。
金利の見通しは上下両方の要因が見られるが、株式は金利を見るのを止めたように見えるという。

「株式の観点からは、今年の金利上昇はバリュエーションに対し概してネガティブになっていない。
換言すれば、株式投資家はFRB・インフレ・金利を過去のものとしたように見え、今やかなり高いコンセンサスとなっている利益成長にまっすぐに集中している。」

ウィルソン氏は、企業利益について市場コンセンサスより控えめに見ているようだ。

平均的企業の労働力・資本の両方を財政支出がクラウディングアウトするにつれ、コスト構造は粘着的となり、価格決定力が低下している。
私たちの考えでは、このクラウディングアウトが、大型のクォリティ株の勝者以外でファンダメンタルズとパフォーマンスが比較的控えめとなっている一因だと考えている。

一方で、市場の食欲は、すでに上がっているテックや通信からそれ以外にも向かっているという。
いくつかセクターが挙がっている:
大型のクォリティ株式、循環株内の工業株、エネルギー、素材、公共など。
こうした裾野の広がりが、市場全体のメトリックスに影響を及ぼしているという。

「結果として、投資家がテックの割高な勝者から、割安でコモディティ価格が上昇する環境でよいかもしれない出遅れ分野に入れ替えを行うにつれ、インデックス全体のバリュエーションが低下している。」


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