オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、AIブームを念頭に、慎重な投資行動を勧めている。
「『他の人たちが行動の慎重さを欠いていけばいくほど、私たちは行動を慎重にしていかなければいけない』とのウォーレン・バフェットの言葉は素晴らしいルールだ。」
マークス氏がBloombergで、投資家に逆張りを勧めた。
もちろん、何でも逆をやればいいというわけではない。
みんなが飛びつく「混雑トレード」(crowded trade)ほど往々にしてうまくいかないと言いたいのだ。
ただし、もちろん落とし穴もあるとマークス氏は釘を刺す。
「混雑したトレードになっていて、さらに混雑すると、驚くほどモメンタムが付き、急騰する傾向がある。」
だから、安易に逆張りをしてはいけないし、ましてや安易にショートしてはいけない。
逆張り投資にはそれに足る根拠とタイミングが必要になる。
マークス氏は、ある投資の格言を紹介した。
「『賢者は先に行動し、愚者は最後に行動する。』」
これは、バブルやブームの終わりによく見られる現象だ。
市場や投資を十分に勉強しないまま、周囲の熱狂につられて上昇の最後に参入してしまう人が、その強気相場の最大のコストを支払うことになる。
逆に、上昇の最初できちんと利益を上げて、良い時に引くことができた人は無傷で大きな利益を得ることになる。
もっとも、きちんと引くことはとても難しい。
だから、マーケット・タイミングを狙うなと言われることになる。
マークス氏は、野球との比較で、投資の難しさを解説した。
野球なら、勝っていてイニングを重ねていけば終わり時がわかる。
しかし、投資では何イニングまで続くのか予見できないという。
賢者の方に目を向けると、この格言は、賢者は先に行動する、と説くが、その時点でそのトレードはどのようなものだったのだろうか。
定義からして、まだ混雑していなかっただろうし、おそらく逆張りまたはそれに近かったのではないか。
マークス氏は、AIトレードを念頭に、今から飛び込むべきと言うつもりはさらさらない。
むしろ逆を示唆している。
そうでありながら、過度な回避もまた望ましくないと話している。
「現状での良いニュースは、この数か月(AI分野で)いくつか躓きがあったことだ。…
それは、絶対に失敗しないと考えるバブルが弾けたというようなものなのだ。」
