著名投資家マーク・ファーバー氏が、逃げ道のないトリプル安シナリオを語っている。
「私たちが人生のほとんどで経験した莫大な資産インフレは、いつかは債務デフレ(大量のデフォルト)により幅広い資産価格収縮に転じると確信している。
誰の目にも明らかなのは、大衆と外国投資家が株式や債券の買いで示してきた熱狂が津波のような売りに転じ、それが株式、ドル、そしておそらく債券をさらに押し下げる時が来ることだ。」
ファーバー氏が今月の書簡で、米国株・米ドル・米債券について暗い未来を予想している。
同氏は凶兆として、株式市場の上昇の厚みの無さ、最近の銀行株の下落を挙げている。
注目すべきは、ファーバー氏が債券に対しても弱気である点だ。
株式も債券も下落し、さらに価値の物差しである米ドルまで下落する、トリプル安の予想なのである。
同氏は、資金フローが逆転を始めれば、資産下落が「破滅的な次元に達する」と書いている。
今回の書簡は主に米市場を念頭においたものだが、同氏は最近、世界的に資産価格が上昇し市場が脆弱になっていると話している。
この理由で、現時点でいかなる資産の買いも熱心に推すのを躊躇っている。
私は、直近に史上最悪のリターンとなった現金・債券を積み上げるのを相応に満足している。
最近の長短金利上昇により、現金(短期債等)・債券の価格が下落し、トータルリターンが悪化した。
さらに、ファーバー氏が重視している「リターン」とは名目でなく実質のリターンだ。
債券は値を下げたことで今後の投資については利回りが上昇したものの、それでもインフレや通貨安の脅威を考えれば、飛びつくべきかは意見が分かれるところ。
それでもファーバー氏は、株式のようなリスク資産よりはましと考えているのだ。
まさに消去法による選好である。
インフレの脅威を重く見るファーバー氏は現状に極めて悲観的だ。
以前も皮肉たっぷりに、皆が望まずして億万長者になれる道を提示していた。
